準備不足で開業すると、優秀な人でも失敗する!上手くいかない原因とリスクヘッジの方法

開業で失敗する原因の多くは「準備不足」です。本記事では開業でよくある失敗の原因や開業準備の重要ポイントを紹介します。経験不足で不安な場合はフランチャイズを活用するのもおすすめです。

優秀な人でも開業した途端に失敗してしまうのはなぜか?よくある5つの原因

優秀な人でも開業した途端に失敗することがあります。調理師や営業担当者、販売員などのプレイヤーと経営者では、求められるスキルが異なるからです。

開業でよくある失敗の原因を5つ紹介するので、当てはまるものがないか探してみてください。もしも当てはまるものがあれば、開業する前に改善しましょう。

技術や経験だけで成功できると思っていた

開業を成功させるためには、技術や経験だけでなく、経営やマーケティングの知識やスキルも必要です。

技術や経験は、顧客に提供する商品やサービスの品質を高めるために重要です。しかし、顧客のニーズを正しく把握できていなければ、顧客満足度を高めることは難しいです。また、競合他社との差別化ができなければ、顧客に選んでもらうことは難しいです。

経営やマーケティングの知識やスキルは、事業計画を立てたり、マーケティング施策を実行したりするために必要です。事業計画は、事業の目標や計画、実行方法などを明確にするために欠かせません。また、マーケティング施策は、顧客のニーズを把握し、競合他社との差別化を図るために必要です。

商品やサービスの魅力だけで勝負していた

開業を成功させるためには、商品やサービスの魅力だけでなく、顧客のニーズや競合他社との差別化、経営やマーケティングの知識やスキル、資金繰りの計画など、さまざまな要素が重要です。

その中でも、「商品やサービスの魅力だけで勝負していた」ことが原因で失敗するケースは少なくありません。

商品やサービスが魅力的であれば、顧客に選ばれる可能性は高くなります。しかし、それだけでは成功につながるとは限りません。

なぜなら、顧客のニーズを把握できていないと、顧客が本当に求めている商品やサービスとは異なるものを提供してしまう可能性があるからです。また、競合他社との差別化ができていないと、顧客に選んでもらえない可能性があります。

市場や競合の調査が足りなかった

開業を成功させるためには、市場調査や競合調査を十分に行うことが重要です。

市場調査とは、ターゲットとなる顧客のニーズや、市場の規模や成長性などを把握するための調査です。競合調査とは、競合他社の商品やサービス、マーケティング施策などを把握するための調査です。

これらの調査を十分に行わないと、顧客のニーズを把握できず、競合他社との差別化ができず、マーケティング施策が効果的でなく、失敗につながる可能性があります。

したがって、開業を成功させるためには、市場調査や競合調査を十分に行い、自社の商品やサービスが本当に顧客に求められているのか、競合他社と比べてどのような優位性があるのかを明確にしておくことが大切です。

コンセプトやターゲットが曖昧だった

開業を成功させるためには、明確なコンセプトとターゲット設定が重要です。

コンセプトとは、自社の商品やサービス、事業の方向性などを示すものです。ターゲットとは、自社の商品やサービスを購入する顧客層のことです。

これらの要素が曖昧だと、「顧客満足度を高められず再来店につながらない」「マーケティング施策が効果的でなく顧客に認知されない」などの問題につながります。経営方針も定まらず、方針転換のたびに費用がかかり、事業継続が難しくなることも多いです。

資金計画や収支管理がずさんだった

開業を成功させるためには、十分な資金計画と収支管理が不可欠です。

資金計画とは、開業に必要な資金と、その資金をどのように調達するか、どのように運用するかを計画することです。収支管理とは、事業活動によって得られる収入と、事業活動に必要な費用を把握し、経営状況を把握することです。

これらの計画や管理がずさんだと、開業に必要な資金が不足し、売り上げが予想よりも少なく、経営状況が把握できず、経営判断が誤ってしまうなどの問題が生じる可能性があります。

開業で失敗しないためには「スモールスタート」と「準備」が大切

開業は、多くの人にとって夢であり、挑戦です。しかし、実際には多くの人が開業に失敗してしまうのです。

開業で失敗する原因はさまざまありますが、その代表的な原因としては、以下の3つが挙げられます。

  • 市場や競合の調査が足りなかった
  • コンセプトやターゲットが曖昧だった
  • 資金計画や収支管理がずさんだった

これらを防ぐためには、開業前に十分な準備を行うことが大切です。

なるべく資金をかけずにスモールスタートすることもリスクヘッジになるでしょう。いきなり大きな規模で事業を始めると、資金繰りが悪化し、失敗につながる可能性があります。まずは、小さな規模で事業を始め、徐々に規模を拡大していくことで、リスクを抑えられるでしょう。

開業資金を抑えることには、事業を早く始められるメリットもあります。スモールスタートし、小さいながらも事業を続けていくことで、市場の変化や顧客のニーズをより正確に把握できるでしょう。経営戦略を見直しながら、少しずつかけるコストを増やしていけばいいのです。

【業種別】事業をスモールスタートするアイデア

コストを抑えてスモールスタートすることで、事業が失敗するリスクを低くできます。しかし、店舗系のビジネスではスモールスタートが難しいと感じるかもしれません。

そこで、事業をスモールスタートするアイデアを業種ごとに紹介します。

飲食業

飲食業では「キッチンカー」や「宅食サービス」などでスモールスタートできるでしょう。キッチンカーは150万~200万円ほどで開業できることが多いです。宅食サービスでは客席が不要なため、省スペースで開業できるでしょう。

どちらも大きな土地や建物を必要とせず、立地にこだわる必要もありません。特にキッチンカーには「立地をいつでも変えられる」「集客しやすいイベントに絞って出店することもできる」などのメリットがあります。

こちらの記事では、キッチンカーの詳細や、スモールスタートにおすすめのチェーンを紹介しています。

小売業

小売業ならまずは店舗を持たず、ネットショップを始めてみるといいでしょう。最近は無料で出店できるECモール、無料で自分のショップを開けるネットショップ開設サービスも増えました。

将来的に、実店舗とネットショップを連動させた「オムニチャネル展開」をすることもできます。ネットショップと実店舗の連動に興味がある方には、こちらの記事がおすすめです。

サービス業・教育関連

エステやマッサージ、習い事教室などの業種なら、自宅を店舗や教室として活用するといいでしょう。店舗を持たずに出張式にする方法もあります。

教室やスクール系の事業なら、ビデオ通話やチャットツールを使ってオンライン展開するのもおすすめです。セミナー形式で動画を取り、デジタルコンテンツとして販売するのもいいでしょう。

失敗しないために必要な開業準備とは?

ビジネスで失敗しないためには、ビジネスを起こす前の開業準備が大切です。失敗を避けるためにどんな準備をすべきなのか、最低限必要な5つのことを紹介します。

コンセプトをしっかり固める

自社の商品やサービス、事業の特徴や強みの分析、ターゲットとなる顧客の属性やニーズの調査などを行い、事業のコンセプトを固めていきましょう。コンセプトを言語化し、具体的な行動指針に落とし込むのです。

これらの取り組みを行うことで、自社の立ち位置を明確にし、事業計画やマーケティング施策を立案しやすくなります。

具体的にはどんな顧客のどのようなニーズを満たすのか、自社は競合他社とどのような違いがあるのかを考えます。

コンセプトを固める際には、以下の点に注意しましょう。

  • 抽象的すぎず、具体的にイメージできるか
  • 自社の強みや特徴を活かせるか
  • 顧客のニーズに合致するか

情報収集を徹底する

開業を成功させるためには、情報収集を徹底することが大切です。その業種に関する法律や規制、かかる費用の目安、競合他社や市場動向などについてよく調べましょう。

開業エリアに関する情報収集も大切です。その地域の人口構成や特性、ライバル店などの情報を集めましょう。人口構成は夜間と日中の両方を調べ、お店のコンセプトやターゲット層とマッチするのかも検討します。

開業費は経費に計上する

開業費とは、開業のために支払った費用のことです。開業費を経費に計上することでその後の税負担を軽くし、財務状況も把握しやすくなります。

開業費として計上できる具体的な費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 事務所や店舗の賃貸料
  • 内装工事費
  • 備品や什器の購入費
  • 広告宣伝費
  • 営業活動に必要な旅費交通費
  • 事業開始に必要な研修費

開業費の経費計上について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

事業計画書を作りこむ

開業を成功させるためには、事業計画書を作りこむことが大切です。事業計画書とは、事業の目標や戦略、実行計画をまとめたものです。事業の方向性や目標を明確にしたり、その実現可能性について判断したりするために役立ちます。融資を受け資金調達するなら、審査資料としても必要になります。

事業計画書を作りこむことで資金調達に成功する可能性が高くなり、事業方針も定まりやすくなるでしょう。柔軟な方向転換もしやすくなるため、経営難に陥るリスクを軽減できます。

スタッフ教育を徹底する

開業を成功させるためには、スタッフ教育を徹底することが大切です。スタッフの教育に力を入れることで、顧客満足度や業務効率を高められるでしょう。人材の定着率も高くなり、採用や教育にかかるコストや労力も抑えられます。

定期的に研修を開いたり、わかりやすいマニュアルを作ったり、スタッフ教育のための工夫を行いましょう。

経験不足を補うためにフランチャイズを活用するのもあり!

開業を成功させるためには、事前の準備が重要です。特に、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

  • コンセプトをしっかり固める
  • 情報収集を徹底する
  • 開業費は経費に計上する
  • 事業計画書を作りこむ
  • 資金調達は慎重に
  • スタッフ教育を徹底する

これらのポイントを押さえることで、開業の成功確率を高めることができます。

また、経験不足で不安な場合は、フランチャイズを活用するのも一つの方法です。フランチャイズでは、本部からノウハウやサポートを受けることができるため、経験豊富な経営者と同じ土俵でスタートすることができます。

ただし、フランチャイズにもメリットとデメリットがあるため、慎重に検討することが大切です。詳しくはこちらの記事で解説しているので、フランチャイズについてきちんと理解し、自分にあった方法を選びましょう。

開店準備にかかった費用を経費にする方法は?開業費として認められるもの、認められないもの、償却の方法

開店準備にかかった費用は「開業費」として経費に計上できます。本記事では、開業費の概要と経費計上方法について解説します。開業費をしっかりと管理することで、事業の節税につながります。

開店準備にかかった費用(開業費)は経費にできる

開店準備にかかった費用(開業費)は、原則として、開業した年の所得から控除できる経費です。開業費として計上できる費用は、開業のために直接必要であった費用に限られます。

開業費は1年以内に経費計上しよう

開業費は、開業準備のためにかかった費用を、通常の経費とは別に処理するものです。開業費は、会計上は「繰延資産」として計上され、毎年一定額ずつ経費として償却していきます。

開業費は、開業した年に全額を経費計上することもできますが、一般的には、1年以内に経費計上するのがよいでしょう。税務調査のリスクを軽減するためです。

開業費は、開業のためにかかった費用であれば、何年前のものでも認められるとされています。しかし、税務調査で開業費として認められるかどうかは、税務署の判断によります。

税務署は、開業費として計上した費用が、本当に開業のために必要であったかどうかを判断します。そのため、開業から時間が経過した費用は、開業のために必要であったかどうかを証明することが難しくなります。

開業費を1年以内に経費計上しておけば、税務調査で開業費として認められる可能性が高まります。

開業費は繰延資産として償却できる

繰延資産とは、本来は費用として処理すべき費用であるが、その効果が将来にわたって及ぶと認められる場合に、一定期間にわたって費用として計上する資産のことです。

償却とは、繰延資産の価値を、その効果が及ぶ期間にわたって徐々に費用として計上することをいいます。

開業費は、開業のために必要となる費用であり、その効果は将来にわたって及ぶと認められるため、繰延資産として計上されます。

開業費を繰延資産として計上するメリットは、開業当初の費用負担を軽減できることです。

開業費は、償却期間内にわたって、毎期一定額ずつ費用として計上されます。そのため、開業当初に全額を費用計上するよりも、開業後の利益を圧迫するリスクを減らすことができます。

開業費を繰延資産として計上するには、開業費として計上できる費用であること、そして、その費用の額を適切に算定することが重要です。

均等償却

均等償却とは、繰延資産の価値を、その効果が及ぶ期間にわたって、毎期同じ金額ずつ費用として計上する方法です。

開業費は、会計上は5年間で均等償却することとされています。ただし、税法上は任意償却であるため、開業費の全額を1年で償却することも可能です。

均等償却を行う場合、償却額は以下の計算式で求めることができます。

償却額 = 繰延資産の額 ÷ 償却期間(年)

例えば、開業費が100万円で、償却期間が5年の場合、以下のようになります。

償却額 = 100万円 ÷ 5年 = 20万円

開業費を均等償却する場合、毎期20万円ずつ、5年間にわたって費用として計上されます。

均等償却のメリットは、計算が簡単で、毎期同じ金額を費用として計上できるため、収支の予測が立てやすいことです。

デメリットは、開業費の価値の減少が均等に行われないことです。例えば、開業費の価値が急速に減少するような場合、均等償却では、費用計上額が実際の価値の減少に追いつかず、節税効果が低下する可能性があります。

開業費を均等償却するかどうかは、事業の状況や経営者の判断によります。

任意償却

任意償却とは、繰延資産の価値を、その効果が及ぶ期間にわたって、毎期自由に金額を決めて費用として計上する方法です。

開業費は、税法上は任意償却であるため、開業費の全額を1年で償却することも可能です。

任意償却を行う場合、償却額は、納税者が自由に決めることができます。ただし、償却額は、繰延資産の額の範囲内である必要があります。

例えば、開業費が100万円の場合、任意償却額は、0円から100万円の範囲内で自由に決めることができます。

開業費を任意償却する場合、毎期、任意で決めた金額を費用として計上します。

任意償却のメリットは、開業費の価値の減少に合わせて、費用計上額を柔軟に調整できる点です。

例えば、開業費の価値が急速に減少するような場合、任意償却では、費用計上額を実際の価値の減少に合わせて増やすことで、節税効果を高めることができます。

デメリットは、計算が複雑で、毎期の収支の予測が立てにくいことです。

開業費を任意償却するかどうかは、事業の状況や経営者の判断によります。任意償却を行う場合、以下のような点に注意が必要です。

  • 償却額は、繰延資産の額の範囲内であり
  • 償却額は、毎期、一定額である必要はない
  • 償却額は、開業費の価値の減少に合わせて、柔軟に調整できる

任意償却を行う際には、これらの点に注意して、事業の状況や経営者の判断に合った方法を選択しましょう。

開業費として認められる費用・認められない費用

開業費として認められる費用・認められない費用を、個人業主の場合と法人の場合に分けて紹介します。

個人事業主の場合

【認められる費用】

  • 事務所の賃借料
  • 広告宣伝費
  • 備品購入費
  • 通信費
  • 交通費
  • 開業に必要な許認可の取得にかかる費用
  • 開業に必要な講習やセミナーの受講費
  • 開業に必要な研修費

【認められない費用】

  • 日常的に発生する費用(給与、仕入原価、交際費など)
  • 開業後にも発生する費用(減価償却費、減価償却費の償却差額など)
  • 10万円を超える備品購入費
  • 土地や建物の購入費

法人の場合

【認められる費用】

  • 事務所の賃借料
  • 広告宣伝費
  • 備品購入費
  • 通信費
  • 交通費
  • 開業に必要な許認可の取得にかかる費用
  • 開業に必要な講習やセミナーの受講費
  • 開業に必要な研修費

【認められない費用】

  • 日常的に発生する費用(給与、仕入原価、交際費など)
  • 開業後にも発生する費用(減価償却費、減価償却費の償却差額など)
  • 10万円を超える備品購入費
  • 土地や建物の購入費

開業準備にかかった費用を経費にするうえでの注意点

開業費を経費にするうえでの注意点を紹介します。これらを念頭に置き、準備を進めていきましょう。

開業費になりそうなレシートや領収書を保管する

開業費を経費計上するためには、領収書や請求書などの証憑書類を保管しておく必要があります。証憑書類には、以下の情報が記載されている必要があります。

  • 日付
  • 金額
  • 取引先
  • 取引内容

領収書や請求書は、原則として、発行日から5年間保管しておく必要があります。

開業日以降の支払いは開業費として認められない

開業費は、事業開始日よりも前に支出された費用が認められます。つまり、開業日以降の支払いは開業費として認められません。

開業費の支払いは、原則として、開業日までに支払わなければなりません。ただし、以下の場合には、開業日以降の支払いも開業費として認められる場合があります。

  • 開業日までに支払う予定だったが、やむを得ない事情により開業日以降に支払った場合
  • 開業日までに支払う予定だったが、開業日までに支払いができない旨の契約を締結した場合

処理し忘れた開業費は事業年度内に処理しよう

開業費は、開業した年の12月31日までに、開業費として計上しておく必要があります。開業費を処理し忘れた場合、開業費を経費として計上できず、損失を減らせません。税務調査で指摘され、追徴課税される可能性もあります。

仕訳帳と減価償却資産台帳への記帳を忘れずに

開業費を経費計上するためには、仕訳帳と減価償却資産台帳への記帳が必要です。

仕訳帳は、事業に関するすべての取引を記録する帳簿です。開業費を経費計上する場合は、開業費の金額を「開業費」という勘定科目で計上します。

減価償却資産台帳は、減価償却資産の取得価額、取得年月日、償却方法、償却期間などの情報を記録する帳簿です。開業費として計上した備品や機器などの減価償却資産は、減価償却資産台帳に登録する必要があります。

仕訳帳と減価償却資産台帳への記帳を忘れると、開業費を経費として計上したことが証明できず、税務調査で指摘される可能性があります。

開業費を仕訳帳と減価償却資産台帳に記帳する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 開業費の金額を正確に記入する
  • 開業費の名称を正確に記入する
  • 領収書や請求書などの証憑書類を添付する

会計ソフトや帳簿ソフトを使用すれば、簡単に記帳を行えるでしょう。

なお、開業費を均等償却する場合は、償却期間も仕訳帳と減価償却資産台帳に記入する必要があります。開業費を任意償却する場合は、償却額も仕訳帳に記入する必要があります。

開業費は経費になる!必要書類と台帳はしっかり管理しよう

開業費とは、事業を開始するために支出された費用のことです。開業費は、原則として、事業開始日から1年以内に支出された費用が認められます。

開業費を経費計上するためには、開業費として計上できる費用とできない費用をきちんと区別し、領収書や請求書などの証憑書類を保管しておく必要があります。

また、開業費は、仕訳帳と減価償却資産台帳への記帳が必要です。

開業費をしっかりと管理することで、事業の節税につながります。開業をお考えの方は、ぜひ本記事を参考にして、開業費の処理を正しく行うようにしましょう。

店舗の開店準備チェックリスト|やるべきことをカテゴリ別に紹介

店舗を開業するには、物件選びや許可・手続き、仕入れ先選定、スタッフの採用・教育、マニュアル作り、店舗のコンセプトづくりなど、さまざまな準備が必要です。本記事では、これらの準備をスムーズに進めるためのチェックリストと、各工程のポイントを紹介します。

店舗の開店準備チェックリスト

店舗を開くには次のような準備が必要です。

【法律・権利関係】

  • 商標登録と登録済みかどうかの確認
  • 業種ごとに必要な資格・届出

【開業費用関係】

  • 事業計画書の作成
  • 自己資金の確保
  • 資金調達

【店舗関係】

  • 路面店かテナントか考える
  • 出店候補地のチェック
  • 物件探し
  • 内装設計・内装工事

【設備・商品関係】

  • 設備の購入と設置場所の決定
  • メニュー作り・商品選定
  • 仕入先選定

【人材関係】

  • スタッフの雇用に必要な手続きの確認
  • スタッフの採用・教育
  • マニュアル作り

【集客・販促関係】

  • 店舗のコンセプトづくり
  • オンラインの集客方法の確認
  • オフラインの集客方法の確認

具体的にどんな準備が必要なのか、具体的に紹介していきます。

法律・権利関係のチェックリスト

法律・権利関係では次のような準備や手続きが必要です。

  • 商標登録と登録済みかどうかの確認
  • 業種ごとに必要な資格・届出

商標登録と登録済みかどうかの確認

店舗を開業する際には、店名の商標登録と、その商標が登録済みかどうかの確認を行うことをおすすめします。商標登録とは、自社の商品やサービスを特定するために使用する文字や図形などを、法律によって独占的に使用できる権利を取得することです。

商標登録により、他社が同じまたは類似の店名を使用していても、商標権の侵害として差し止めや損害賠償請求ができます。店名をブランドとして確立し、顧客からの信頼を得やすくなるでしょう。

店名が登録済みかどうかは、特許庁のWebサイトから「商標検索」を行うことで確認できます。

商標を検索してみましょう | 経済産業省 特許庁

必要な資格・届出

店舗を開業するために必要な資格・届出は、以下の通りです。

【資格】

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 調理師免許(調理を主とする飲食店の場合)

【届出】

  • 飲食店営業許可
  • 防火対象設備使用開始届
  • 火を使用する設備などの設置届
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届
  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 労働基準監督署への届出
  • 公共職業安定所への届出
  • 社会保険事務所への届出(法人の場合)

これらの資格・届出は、店舗の業種や規模によって必要なものが異なります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

開業費用関係のチェックリスト

開業費用関係では次のような準備が必要です。

  • 事業計画書の作成
  • 自己資金の確保
  • 資金調達

事業計画書の作成

事業計画書とは、店舗の経営方針や将来の展望をまとめた書類です。店舗の目標や戦略、必要な資金や人員を明確にできるメリットがあります。きちんとした事業計画書があれば、金融機関からの融資も受けやすくなるでしょう。

事業計画書には、以下の内容を盛り込みます。

  • 開業の動機
  • 事業内容
  • ターゲット顧客
  • 競合分析
  • 販売戦略
  • マーケティング戦略
  • 財務計画

事業計画書は、店舗の経営を成功させるための指針となる重要な書類です。しっかりと作成して、店舗の成功に役立てましょう。

自己資金の確保

店舗を開業するためには、物件取得費や設備投資費、運転資金など、多額の資金が必要です。融資を受けるとしても、自己資金が多い方が審査に通りやすくなります。

自己資金を多く確保するためには、以下の方法が考えられます。

  • 貯蓄を増やす
  • 副業やアルバイトをして収入を増やす
  • 親や親戚などから借り入れる

貯蓄を増やすには、毎月の収入を抑え、支出を減らすことが重要です。副業やアルバイトをして収入を増やす場合は、自分のスキルや経験を活かせる仕事を見つけるとよいでしょう。親や親戚などから借り入れる場合は、返済計画をしっかりと立ててから借りるようにしましょう。

資金調達

店舗を開業するためには、物件取得費や設備投資費、運転資金など、多額の資金が必要です。その資金を自己資金で賄うことが難しい場合は、金融機関からの融資や、クラウドファンディング、補助金・助成金などの資金調達方法を検討しましょう。

金融機関からの融資は、店舗開業に最も一般的な資金調達方法です。日本政策金融公庫や信用金庫、銀行などから融資を受けることができます。融資を受けるためには、事業計画書の作成や、経営者の属性や信用情報の審査などが必要です。

クラウドファンディングは、インターネットを介して不特定多数の個人から資金を集める方法です。店舗開業のための資金調達にも活用できます。クラウドファンディングで資金を集めるためには、プロジェクトの魅力や実現可能性をアピールすることが重要です。

補助金・助成金は、国や地方自治体から事業者に交付されるお金です。店舗開業にかかる費用の一部を補助してくれる場合があります。補助金・助成金の種類はさまざまですので、自分の事業に適したものを探しましょう。

資金調達の方法は、それぞれのメリットやデメリットがあります。自分に合った方法を選んで、店舗開業に必要な資金を調達しましょう。

それぞれの方法について詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。

店舗関係のチェックリスト

店舗関係では次のような準備が必要です

  • 路面店かテナントか考える
  • 出店候補地のチェック
  • 物件探し
  • 内装設計・内装工事

路面店かテナントか

店舗を開業する際には、路面店とテナントのどちらで出店するかを決める必要があります。路面店とテナントには、それぞれメリットとデメリットがあります。

【路面店のメリット】

  • 通りに面した立地のため、集客力が高い
  • 自由度が高く、店舗のデザインやレイアウトを自由に決められる

【路面店のデメリット】

  • 家賃が高額になりやすい
  • 看板や外装などの費用がかかる

【テナントのメリット】

  • 家賃が比較的安価に抑えられる
  • 看板や外装などの費用が不要
  • テナントビルには、共用設備やサービスが充実している

【テナントのデメリット】

  • 通りに面していない場合、集客力が低い
  • 店舗のデザインやレイアウトに制限がある

路面店とテナントのどちらを選ぶかは、店舗の業種や規模、経営者の考え方などによって異なります。

集客力を求める業種や、独自の店舗デザインやレイアウトを追求する業種の場合は、路面店が有利です。

家賃を抑えて資金を有効活用したい場合や、テナントビルの共用設備やサービスを活用したい場合は、テナントの方が有利です。

出店候補地のチェック

出店候補地を決める際には、以下の点に注意しましょう。

【人口構成】

出店候補地の人口構成を調べることで、ターゲット顧客のニーズを把握することができます。人口構成を調べるには、国勢調査や統計局のデータを参考にするとよいでしょう。

人口構成を調べる際には、夜間人口と日中人口も調べたほうがいいでしょう。夜間人口は、その地域に住んでいる人口です。日中人口は、その地域に働いたり遊びに行ったりしている人口です。

【周辺環境】

出店候補地の周辺環境を調べることで、競合状況や集客力を把握することができます。周辺環境を調べるには、Googleマップやストリートビューなどを活用すると便利です。

周辺環境を調べる際には、以下の点に注意しましょう。

  • 競合店の有無
  • 交通アクセス
  • 駐車場の有無
  • 商業施設や公共施設の有無
  • 通りに面しているか
  • 駅やバス停から近いか
  • 視認性が高いか

出店候補地を決める際には、これらの点を総合的に判断して、ターゲット顧客に最適な場所を選ぶことが重要です。

飲食店の立地選びについては、こちらの記事で解説しています。どんな業態にどんな立地が適しているのか詳しく紹介しています。

物件探し

物件探しでは、内装工事を依頼する予定の業者と一緒に物件を見学するのがおすすめです。

内装工事を依頼する予定の業者と一緒に物件の見学を行うことで、物件の構造や設備などの情報を、専門的な視点で確認できます。内装工事の費用や工期をより正確に、早い段階で把握することもできます。

内装設計・内装工事

内装設計とは、店舗のレイアウトやデザインを決める作業です。内装工事とは、内装設計に基づいて、店舗の内部を仕上げる作業です。

内装設計は、店舗の業種やターゲット顧客、コンセプトなどを考慮して行います。また、安全性や衛生面にも配慮する必要があります。内装工事では、内装設計で決めた内容を、実際に施工していきます。

飲食店の場合、設備設計もこの時点で済ませます。設備設計とは、厨房やトイレなどの設備を配置する作業です。設備設計では、店舗の業態やメニューなどを考慮して、適切な設備を配置する必要があります。

内装設計と内装工事は、店舗の印象を大きく左右する重要な作業です。そのため、十分な時間をかけて、慎重に進めることが大切です。

設備・商品関係のチェックリスト

設備・商品関係では次のような準備が必要です。

  • 設備の購入と設置場所の決定
  • メニュー作り・商品選定
  • 仕入先選定

設備の購入

設備の購入は、店舗の業種や規模、メニューなどによって異なります。

飲食店の場合、厨房設備や調理器具、食器類などの購入が必要です。また、トイレや冷蔵庫などの衛生設備、空調設備や換気設備などの安全設備も必要です。

小売店の場合、陳列棚やレジ、照明などの購入が必要です。また、防犯設備や防火設備などの安全設備も必要です。

サービス業の場合、接客用備品や事務用品などの購入が必要です。また、セキュリティ設備などの安全設備も必要です。

メニュー作り・商品選定

ニュー作り・商品選定は、店舗の成功を左右する重要なポイントです。メニュー作り・商品選定では、以下の点に注意しましょう。

  • ターゲット顧客のニーズを把握する
  • 競合店のメニューや商品を調査する
  • 店舗の強みやコンセプトを反映する
  • 原価率や利益率を計算する

ターゲット顧客を明確にすれば、顧客のニーズに合ったメニューや商品を作成できます。競合店のメニューを調査すれば、自店のメニューや商品との差別化を図れるでしょう。

原価率の計算は利益率を高めるために重要で、ここが不十分だと赤字や経営難にもつながりかねません。

仕入先選定

仕入先の選定は商品やサービスを安定して提供し続けるためにも、売上や利益率を高めるためにも重要です。次のポイントを意識して、信頼できる仕入先を選びましょう。

【品質】

店舗のメニューや商品の品質は、仕入先の品質によって大きく左右されます。そのため、複数の仕入先からサンプルを取り寄せて、実際に試食や検品を行うことが大切です。また、店舗のメニューや商品に合った品質を追求することも重要です。

【価格】

仕入れ価格は、店舗の利益率に直結する重要な要素です。そのため、複数の仕入先から見積もりを取り寄せて、価格を比較することが大切です。また、店舗の利益率を維持できる価格を検討することも重要です。

【納期】

店舗の営業に支障がないよう、納期が確保されているかを確認することが大切です。また、納期が遅れそうな場合は、代替品や在庫確保などの対策を検討することも重要です。

【対応】

仕入先の対応が丁寧で、迅速に対応してくれるかどうかを確認することが大切です。また、トラブルが発生した場合に迅速に対応してくれるかどうかを確認することも重要です。

【提案力】

ここでいう提案力とは、仕入先が店舗のニーズに合った商品やサービスを提案してくれるかどうかのことです。食材の旬やSNSでのトレンドを意識した商品を提案してもらえれば、お客さまにより良い顧客体験を提供できるでしょう。提案力の高い仕入先は、店舗の経営をサポートしてくれる重要なパートナーといえます。

人材関係のチェックリスト

人材関係では次のような準備が必要です。

  • スタッフの雇用に必要な手続きの確認
  • スタッフの採用・教育
  • マニュアル作り

スタッフの雇用に必要な手続き

スタッフを雇用する際に必要な手続きと、手続きをする場所は以下のとおりです。

【雇用契約の締結】

雇用契約書を作成し、本人と署名捺印する

【雇用保険・労働保険の加入】

ハローワークで手続きをする

【社会保険の加入】

年金事務所で手続きをする

なお、従業員が5人以上いる場合は、労働基準監督署への届け出も必要です。

スタッフの採用・教育

店舗を開業する際には、スタッフの採用・教育が欠かせません。採用の方法には次のようなものがあります。

  • 求人広告を出す
  • 人材紹介会社に依頼する
  • 知人や友人に紹介してもらう

採用では、店舗のニーズに合った人材を採用することが重要です。そのため、求人広告や人材紹介会社を利用する際には、店舗の特徴や求める人材像を明確にしておきましょう。また、知人や友人に紹介してもらうのも、効果的な採用方法です。

スタッフの教育では、スタッフが店舗で働くために必要な知識やスキルを身につけてもらうことが重要です。そのため、基本的なマナーや接客の指導はもちろん、店舗のメニューや商品の知識、安全衛生に関する指導などをしっかりと行いましょう。

マニュアル作り

マニュアルは、スタッフが店舗で働くために必要な知識やスキルを身につけるために役立ちます。また、スタッフの業務を標準化することで、品質の向上や業務効率化にもつながります。マニュアルには以下のようなものがあります。

  • 店舗の運営に関する基本的なルールや手順をまとめた「基本マニュアル」
  • 具体的な業務に関する手順や注意事項をまとめた「業務マニュアル」
  • スタッフの教育に必要な知識やスキルをまとめた「教育マニュアル」

紙のマニュアルとデジタルマニュアル、どちらを用意するかも考えましょう。紙のマニュアルは、わかりやすく作成すれば、スタッフにとって理解しやすいメリットがあります。また、手元に置いてすぐに確認できるので、急なトラブルが発生した際にも対応しやすいでしょう。

ITツールを活用したデジタルマニュアルは、紙のマニュアルに比べて、以下のメリットがあります。

  • 内容の更新や修正が容易
  • 複数の端末で閲覧可能
  • 検索やブックマークで必要な情報をすぐに見つけられる

ITツールを活用することで、動画や音声などのコンテンツを活用することもできます。特に飲食業や接客に力を入れる場合、よりわかりやすく、効果的なマニュアルを作成できるでしょう。

集客・販促関係のチェックリスト

集客・販促関係では次のような準備が必要です。

  • 店舗のコンセプトづくり
  • オンラインの集客方法の確認
  • オフラインの集客方法の確認

店舗のコンセプトづくり

店舗のコンセプトづくりは、店舗開業に向けて最も重要な準備のひとつです。コンセプトを決めることで、店舗の方向性が明確になり、ターゲット顧客を明確にでき、店舗のデザインや内装、メニューなどの方向性を決めやすくなります。

コンセプトづくりでは、まず自らの経験や価値観、想いをもとに、店舗の目指す姿を具体的にイメージしましょう。どのような顧客に利用してもらいたいのか、自店舗の強みや特徴は何なのか、競合店とは何が違うのかを検討しながら、店舗の方向性を明確にしていきます。

ターゲット顧客を明確にすることも重要です。ターゲット顧客を明確にすることで、マーケティングや営業戦略を立てやすくなります。ターゲット顧客の年齢層、性別、職業、趣味嗜好などを具体的にイメージして、その顧客に響くコンセプトを検討しましょう。

競合店との差別化を図ることも大切です。競合店との差別化を図ることで、自店舗ならではの魅力を打ち出すことができます。自店舗の強みや特徴を活かして、競合店とは異なるコンセプトを検討しましょう。

例えば、カフェを開業する場合、以下のようなコンセプトが考えられます。

  • 都会の喧騒を忘れて、ゆったりとくつろげるカフェ
  • こだわりのコーヒーとスイーツで、特別な時間を提供するカフェ
  • 地域に根ざした、地元の食材を使ったカフェ

このように、自らの想いや強み、ターゲット顧客を踏まえて、自店舗ならではのコンセプトを決めることが大切です。

オンラインの集客方法一覧

スマホやインターネットの普及により、さまざまな集客施策が登場しました。次のようなオンライン集客は、オンラインビジネスだけでなく実店舗にもかかせないものです。

  • 公式HP・ブログ
  • メルマガ
  • SNS運用
  • Googleビジネスプロフィール
  • Web広告の出稿

オフラインの集客方法一覧

次のようなオフラインの集客も欠かせません。

  • 店頭の看板・のぼり
  • チラシ・ポスティング
  • 路面広告・看板
  • ポイントカード

看板やポスティングなどの媒体は店舗周辺の住民やビジネスパーソンなど、来店確度の高い見込み客に効率よくアプローチできます。ポイントカードは再来店の促進に有効です。

これらの集客方法について詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひお読みください。もちろん、飲食店以外の業態でも役立ちます。

チェックリストを活用し、開店準備をスムーズに進めよう

店舗を開業する際には、さまざまな準備が必要です。物件選び、許可・手続き、仕入れ先選定、スタッフの採用・教育、マニュアル作り、店舗のコンセプトづくりなど、その内容は多岐にわたります。

これらの準備をスムーズに進めるためには、チェックリストを活用するのがおすすめです。チェックリストを活用することで、漏れやミスを防ぐことができ、効率的に準備を進めることができます。

チェックリストを作成する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 準備すべき項目を漏れなく洗い出す
  • 項目ごとに優先順位を決める
  • 各項目の詳細を具体的に記載する

また、チェックリストは一度作成したら終わりではなく、必要に応じて修正や追加をしていくことが大切です。

チェックリストを活用して、店舗開業に向けた準備をしっかりと進めていきましょう。

介護タクシーの開業に必要な費用や資格・要件は?開業までの流れやおすすめフランチャイズを紹介

介護タクシーの開業には、法令試験や許可申請、運賃・約款の作成など、さまざまな手続きが必要です。本記事では、これらの手続きの流れと注意点を解説。これらの手続きを自力で進められるか不安、開業後の経営に自信がない人におすすめのフランチャイズも紹介します。

介護タクシーとは

介護タクシーとは、車椅子やストレッチャーの利用者も乗車できるように改造されたタクシーです。運転手は介護の資格を有しており、乗降の介助や、移動中の介助を行います。介護タクシーは、要介護者や体の不自由な方の外出を支援するサービスとして利用されています。

2種類の介護タクシー

介護タクシーには介護保険タクシーと福祉タクシーの2種類があります。

項目介護保険タクシー福祉タクシー
適用制度介護保険なし
利用対象者要介護1~5の認定を受けている方で、ケアプランに「乗降介助・身体介護が必要」と記載のある方身体障害者手帳の所持者、戦傷病者手帳の所持者、重度の障害者、その他
料金タクシー運賃と介助費用タクシー運賃のみ
介助介護保険の自己負担割合(原則1割)で利用できる介助費用はかかりませんが、車椅子やストレッチャーの利用に伴う追加料金がかかる場合があります
2種類の介護タクシーの違い

介護保険タクシー

介護保険タクシーは、介護保険の適用を受けているサービスです。そのため、利用対象者は要介護1~5の認定を受けている方で、ケアプランに「乗降介助・身体介護が必要」と記載のある方に限られます。

介護保険タクシーの開業には、以下の要件を満たす必要があります。

  • 普通自動車二種免許を取得していること
  • 介護職員初任者研修を修了していること
  • 法人を設立していること
  • 車両を用意していること
  • 営業許可を取得していること

介護保険タクシーは、介護保険の適用を受けて介助費用の負担を軽減できるため、利用者からの需要が高いサービスです。また、介護保険の適用を受けるためには、介護保険事業所の指定を受ける必要があります。

福祉タクシー

福祉タクシーは、介護保険の適用を受けていないサービスです。利用対象者は高齢者だけでなく、身体障害者手帳の所持者、重度の障害者など、幅広い層にわたります。

福祉タクシーの開業には、以下の要件を満たす必要があります。

  • 普通自動車二種免許を取得していること
  • 車両を用意していること
  • 営業許可を取得していること

福祉タクシーは、介護保険タクシーに比べて利用対象が広いため、需要が安定しているサービスです。

介護タクシーの開業にかかる費用

介護タクシーの開業にかかる主な費用は次のとおりです。

項目費用目安
車両購入費200万円~300万円
タクシーメーターの購入費18万円
介護職員雇用費月額40万円
免許や資格の取得費10万円~30万円
その他100万円~200万円
介護タクシーの開業にかかる費用

その他にも、車庫や営業所の賃料、広告宣伝費、保険料などの費用がかかります。これらの費用は事業規模や地域によって異なりますが、100万円~200万円程度が目安となります。

合計すると、初期費用として500万円~1,000万円程度が必要となります。また、開業後の運転手や介護職員の人件費や車両の維持費などのランニングコストも必要です。

余裕を持って事業を続けるために、1年分の生活資金も用意しておきたいです。生活資金が事業の売上からまかなえなくなると、生活のために副業や借金をしなければならなくなることもあります。

介護タクシーを開業するために必要な資格

普通自動車第二種免許

普通自動車第二種免許は、旅客自動車運転者として自動車を運転する際に必要な免許です。介護タクシーを開業するためには、この免許の取得が必要です。普通自動車第二種免許を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 満21歳以上であること
  • 普通自動車免許を取得し、通算3年以上の運転経験があること
  • 視力が両目0.8、片目0.5以上であること
  • 深視力があること
  • 青・黄・赤色の識別ができること
  • 基本的な日本語の読み書きができ、理解できること
  • 運転の際に、支障を及ぼす身体障害がないこと

教習所に通う場合、2~3週間程度で取得できるでしょう。費用は教習所によって異なりますが、20万円~40万円程度が目安となります。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基礎から応用までを学ぶ研修です。介護タクシーを開業するためには、この研修の修了が必要です。

【取得条件】

介護職員初任者研修の受講資格は、以下のとおりです。

  • 満18歳以上であること
  • 初任者研修を修了していないこと

【取得期間と費用】

介護職員初任者研修は、130時間の研修を受講する必要があります。研修は、通学や通信教育など、さまざまな方法で受講することができます。費用は、研修機関によって異なりますが、10万円程度が目安となります。

通学の場合、毎日通えば1~1ヵ月半、週2日ほど通えば4~6ヵ月ほどで取得できます。通信教育の場合、3週間~3ヵ月ほどで取得できます。ただし、通信講座のみで資格を取得することはできず、一部通学が必要です。

介護タクシーを開業するための要件

人員に関する要件

介護タクシーを開業するためには、以下の人員に関する要件を満たす必要があります。

【運転手】

  • 普通自動車第二種免許を取得していること
  • 介護職員初任者研修を修了していること(介護保険タクシーの場合)

【介護職員】

  • 介護職員初任者研修を修了していること
  • 介護保険事業所の指定を受ける必要がある(介護保険タクシーの場合)

設備に関する要件

介護タクシーを開業するためには、以下の設備に関する要件を満たす必要があります。

【車庫】

車庫は、車両の長さ、幅+1m以上のスペースがある必要があります。また、車両の点検や清掃が行えるように、適切な設備を備えている必要があります。

【車両】

車両は、福祉車両として改造されている必要があります。福祉車両には、車いすやストレッチャーの利用者でも乗車できるようにするための設備が備えられています。

【営業所】

営業所には、事務所や休憩室、事務用品などを備える必要があります。また、車両の点検や清掃が行えるように、適切な設備を備えている必要があります。

【その他】

車両や営業所の所在地は、国土交通大臣が定める地域内になければなりません。また、営業所は、営業許可の申請日から3年以上使用できる必要があります。

任意保険に関する要件

介護タクシーを開業するためには任意保険に加入しなければなりません。最低基準として、対人1人につき8,000万円、対物200万円以上の任意保険への加入が必要です。

ただ、一般的には対人・対物ともに補償額無制限の保険に加入することが多いです。リスクヘッジのためにも、最低基準を満たすのではなく、無制限の保険への加入をおすすめします。

欠格要件

欠格要件とは、一定の資格や条件を満たさない者に対して、許可や免許などの権利を与えないことを定めたものです。介護タクシーの開業においても、欠格要件が定められています。

介護タクシー開業における主な欠格要件は、おおむね以下のとおりです。

  • 1年以上の懲役または禁固の刑に処せられ、その執行を終えたときから5年が経過していない
  • 特定の自動車運送事業許可の取り消しを受け、その日から5年が経過していない
  • 許可を受けようとする者と密接な関係にある者が特定の旅客自動車運送事業の許可の取り消しを受け、その日から5年が経過していない など

参考:道路運送法 | e-Gov法令検索(第七条欠格事由を参照)

各要件の詳細やほかの欠格事由については、上記参考ページで確認できます。

【11ステップ】介護タクシーを開業するまでの流れ

STEP1.必要資格の取得

介護タクシーを開業するために必要な資格を取得しましょう。これまで紹介してきた必要資格については、下記にまとめてあります。

介護タクシーを開業するためには、以下の資格が必要です。

  • 運転手:普通自動車第二種免許
  • 介護職員:介護職員初任者研修

なお、介護保険タクシーの場合は、以下の資格も必要です。

  • 運転手:介護職員初任者研修
  • 介護職員:介護職員初任者研修(ただし、介護福祉士、介護支援専門員、看護師など、介護の資格を有している場合は、介護職員初任者研修の修了は不要)

これらの資格を取得するには、以下の手続きが必要です。

  • 運転手:運転免許試験場で学科試験と技能試験を受験する。
  • 介護職員:介護職員初任者研修を実施する研修機関で受講する。

STEP2.施設の準備

介護タクシーを開業するためには、以下の施設が必要です。

  • 車庫
  • 車両
  • 営業所
  • 休憩仮眠施設

詳しくは「設備に関する要件」で先述しているので、確認しながら準備を進めましょう。

STEP3.人員の選任

介護タクシーを開業するためには、以下の人員が必要です。

  • 普通自動車第二種免許をもつ運転手
  • 運行管理者
  • 整備管理者

なお、これらの人員は兼任することもできます。

STEP4.法人の設立

介護保険タクシーは、訪問介護サービスの一種であるため、法人でなければ開業できません。これは、介護保険事業所の指定を受けるためには、法人であることが要件となっているためです。

一方、福祉タクシーは、介護保険の対象外のサービスであるため、個人事業主でも開業することができます。

STEP5.許可申請書の提出

介護タクシーで開業するには、営業所所在地を管轄する運輸支局輸送担当に許可申請書を提出しなければなりません。申請書は本通1部と控え2部の計3部必要です。

STEP6.法令試験と事情聴取を受ける

介護タクシーを開業するには法令試験と事情聴取を受けなければなりません。法令試験は、介護タクシー事業に必要な法令に関する知識を有しているかを問う試験です。〇×式の30問の試験で、24問以上の正解で合格となります。

試験の内容は、以下のとおりです。

  • 道路運送法
  • 道路運送法施行令
  • 道路運送法施行規則
  • 旅客自動車運送事業運輸規則
  • 旅客自動車運送事業等報告規則
  • 自動車事故報告規則
  • その他一般旅客自動車運送事業の遂行に必要な法令等

STEP7.許可証の交付

介護タクシーの許可証の交付までにかかる期間は、通常2ヶ月程度です。

前工程である法令試験と事情聴取の合格後、運輸支局または都道府県知事の審査が行われます。審査の結果、問題がなければ、許可が交付されます。

STEP8.登録免許税の納付、届出

介護タクシーの許可証の交付後、登録免許税の納付と届出が必要となります。登録免許税は、国に納付する税金です。介護タクシーの登録免許税は3万円です。

STEP9.運賃・約款の認可申請

介護タクシーの運賃・約款は、国土交通省が定めた公示基準に基づいて審査されます。公示基準に適合しない運賃・約款は却下されます。

STEP10.車両の準備と登録

事業用の基準を満たした福祉自動車を用意し、検査・登録を行いましょう。その後、ナンバープレートを緑のものに変更します。

STEP11.事業の開始と運輸開始届の提出

介護タクシーの事業開始は、許可証の交付後、運輸開始届の提出までに行う必要があります。

運輸開始届は、事業所を管轄する運輸支局に提出します。届出様式は、運輸支局のホームページからダウンロードできます。

事業開始から6ヵ月以内に運輸開始届を提出しなければならないため、忘れないよう気をつけましょう。

介護タクシーはフランチャイズでの開業がスムーズ

介護タクシーの開業は要件が細かく決まっていて、手続きも煩雑です。フランチャイズに加盟することで、サポートを受けながらスムーズに開業できるでしょう。加盟チェーンのブランド力を活かして集客をしたり、経営に関するアドバイスを受けたりできるメリットもあります。

介護タクシーの開業におすすめのフランチャイズを紹介します。

介護保険タクシー事業会

介護保険タクシー事業会
  • 設立18年の介護保険タクシーのパイオニア
  • 介護保険を扱えるため安い料金で提供可能
  • 介護保険タクシーに必要な項目が網羅された支援制度

介護保険タクシー事業会は、介護保険タクシーの開業支援を行うNPO法人です。2007年に会社を立ち上げ、介護保険タクシーのパイオニアとして事業を行っています。

介護保険タクシーは、介護保険を利用してタクシーを動かすことも従来の介護タクシーとして動かすことも両方できる事業です。このようなマルチな対応によってお客様の客層が増えるため、安定した事業を可能にします。また、介護保険を使える介護タクシーは3分の1という安い料金で提供可能です。

NPO法人のコアラでは介護や福祉に経験のない初心者でも経験者と同じ経験値やプロの知識・技術を学べる講座があり、それらを体験してから開業できる支援制度が設けられています。研修システムを採用しているため、日本中のどこでもパソコンから開業支援を受けることも可能です。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
車両費:170万円

事務所:持ち家場合は維持費のみ/賃貸費用

開業支援費:フランチャイズコース・・1,500,000円
ベイシックコース・・1,144,500円
介護保険タクシー変更コース・・900,000円
運転資金(生活費用):仕事が安定するまでの費用
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
介護保険タクシー事業会の開業資金

介護保険タクシー事業会公式サイト

VISTA

VISTA
  • 店舗なし・従業員なし・在庫なしで開業OK
  • マーケティング支援は全て本部がサポート
  • 介護施設や病院関係者との横のつながりができる

VISTAは、地域の介護・医療を様々な事業から支援しています。スタッフの全員が国家公務員である救急救命士の資格を所持しているという特長があります。高齢化社会に向けたビジネスに取り組んでいるため、やりがいのある仕事です。

フランチャイズに加盟すると集客や営業、さらにはSNS運用やHP作成などにわたるマーケティングは全て本部が支援します。また、開業後も研修を行うため、安心して運営できる仕組みがあります。

開業前後のサポートや運営だけでなく、実務や財務まで幅広く本部によるサポートを受けることが可能です。また、車1台と必要最低限のコストで開業できます。そのため、未経験でも安心して開業ができます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
VISTAの開業資金

VISTA公式サイト

ハッピーハートグループ本部

ハッピーハートグループ本部
  • 開業3年目以降に独立も可能なバックアップ体制
  • 運行に関わる実務ノウハウを全て伝授
  • オーナーの開業ビジョンに合わせたコース選びが可能

ハッピーハートグループは、地域福祉の充実に貢献し、バリアフリー社会の実現を目指しています。千葉県を拠点として首都圏に展開し、介護タクシーのみならず様々な支援事業を行っています。

開業3年目以降は個人事業主として完全に独立することも可能です。そのためのバックアップ体制も充実しており、多くの先輩たちがすでに独立しているという実績があります。個人の努力次第で事業展開もでき、仕事量も調節できるため、裁量の大きい仕事です。

介護タクシーを開業するにあたって、車両や備品の調達から複数の研修、営業方法に至るまで、運行に関わる実務のノウハウを全て伝授することが可能です。本部のサポート体制が充実しており、安心して開業できます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:30万円(2年分の年会費含む)8,000円/月(税別)2年
※以降完全独立全面バックアップ
※以降2年毎の更新も勿論可能
要問い合わせ
ハッピーハートグループ本部開業資金

ハッピーハートグループ本部公式サイト

NPO法人日本福祉タクシー協会

NPO法人日本福祉タクシー協会
  • 開業までの認可申請を支援
  • 社会貢献や生きがいが持てる仕事
  • 開業資金・運転資金がかからずスタートしやすい

NPO法人日本福祉タクシー協会は、福祉輸送を通じて、高齢者や障碍者の社会参加を支援しています。利用者の利便性と公共の福祉を重視しており、社会貢献や社会づくりの一端を担っています。

業務委託から開業までの手続きは約3か月かかります。しかし、開業に至るまでの認可の申請も支援しており、諸手続きに関わる不安は必要ありません。開業後も営業アドバイスやPR活動などの支援も行っています。

日本福祉タクシーの自宅開業は店舗・事務所・倉庫は不要です。また、昼間の仕事でノルマもないため、スケジュールが立てやすいという特徴があります。社会貢献に関わり、プライベートと両立できるため、充実した生活が送れます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
車両購入費:150万円~400万円
資金:150万円~180万円
事業許可:50万円
運輸局登録免許税:3万円
0円要問い合わせ要問い合わせ
NPO法人日本福祉タクシー協会開業資金

NPO法人日本福祉タクシー協会公式サイト

アイラス介護タクシー

アイラス介護タクシー
  • 低資金、ローリスクで開業可能
  • コールセンターを設置し迅速で安心できる配車を実現
  • 参加台数250台の大規模ネットワーク

アイラス介護タクシーは、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城で展開する介護タクシーの一大ネットワークです。コールセンターを設けているため、利用者にとっては迅速かつ正確な歯医者が可能になります。また、加盟店にとっては配車の依頼ができるため、依頼を断らず信用・安心感を築ける仕組みがあります。

ストレッチャーや団体の複数台配車、ヘルパー付き添いなど、自分が対応できない依頼については、グループ全体で対応します。また、突然のアクシデントに関してもグループメンバー全体でサポートできる仕組みがあり、安心して運営できます。

契約後は開業までの4か月間で準備を進めていきます。ミニ勉強会や地域メンバーとのコミュニケーションが図れる場があり、各資格もこの期間で取得していきます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
入会金:80万円
車両購入費:250万円(中型)
介護職員初任者研修:15万円(平均)
二種免許取得:25万円
車椅子購入:3万円
名刺作成:1万円
タクシーメーター取り付け:12万円
備品:10万円
会費:10,800円要問い合わせ(参加台数:250台)
アイラス介護タクシー開業資金

アイラス介護タクシー公式サイト

介護タクシーの開業には時間がかかる!準備を早めに始めよう

介護タクシーを開業するには、法令試験と事情聴取の合格、許可証の交付、登録免許税の納付と届出、運賃・約款の許可申請、車両の準備と登録、事業の開始と運輸開始届の提出など、さまざまな手続きが必要です。

これらの手続きには、それぞれに一定の期間がかかります。そのため、介護タクシーの開業を検討している方は、早めに準備を始めることをおすすめします。自力で手続きを進められるか不安な人、経営や集客に関する知識に不安がある人には、フランチャイズへの加盟もおすすめです。

本記事で紹介したフランチャイズのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。加盟費やロイヤリティ、詳しいサポート内容など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。なるべくたくさんのチェーンの情報を集め、自分に合ったところを選ぶことが大切です。

カフェの開業準備ですべきこと、オープン前に考えておきたい集客施策を紹介

カフェの開業準備ですべきこと、準備段階で考えておくべき集客戦略について解説します。各工程の進め方や具体的な集客施策も紹介するので、開業前に戦略を練り、スムーズなスタートを切るための参考にしてください。

カフェと喫茶店の違い

カフェと喫茶店は名称が違うだけではありません。営業区分が異なり、提供できるメニューも違います。

カフェは提供できるメニューが多い

カフェの魅力は多彩なメニューにあります。コーヒーや紅茶だけでなく、新鮮なサンドイッチ、季節のスイーツ、ヘルシーなランチメニューまで提供できるため、さまざまな層がターゲットになるでしょう。

喫茶店は酒類の提供と調理全般がNG

喫茶店は、基本的にはアルコールや調理は提供されません。その代わり、焼き菓子やクッキー、軽食などがメインとなります。静かな環境で本を読んだり、友達とくつろいだりする場所として重宝されます。

カフェの開業準備のチェックリスト

カフェの開業準備で必要なことを紹介します。

事業計画を立てる

事業計画はカフェの開業において重要なステップです。事業計画をしっかりと立てることで、お店のターゲット層やコンセプトが明確になり、効果的な集客や店舗運営ができるようになるでしょう。

無理のない資金計画を立てるうえでも、資金調達を成功させるためにも、事業計画の策定と事業計画書の作成は欠かせません。

マーケティング戦略も事業計画の重要な要素です。出店エリアの分析や競合店の調査を通じて、カフェの差別化ポイントを見つけ、競争力を高めるための戦略を練りましょう。顧客のニーズやトレンドに敏感に対応することで、地域での存在感を強められます。

資金調達を考える

事業計画が完成したら、次は資金調達の計画を立てます。自己資金、銀行融資、クラウドファンディングなど、さまざまな手段がありますが、それぞれの特性を理解し、最適な組み合わせを見つけることが重要です。銀行融資を考える場合は、返済計画や金利などを検討し、リスクを最小限に抑えながら資金調達を進めましょう。

コンセプトを考える

カフェの成功には独自性が欠かせません。コンセプトを考える際は、まずターゲット層を明確にし、そのニーズに合わせた魅力的な要素を組み込むことが重要です。例えば、地域の特産品を使用したメニューや、居心地の良い空間づくりにこだわるなど、他と差別化できる点を見つけましょう。

コンセプトはブランディングやマーケティングの基盤となり、お客様に強烈な印象を残す要素となります。

物件選び

カフェを成功させるためには、適切な物件を選ばなければなりません。まず、目を引く立地や周辺環境を考慮しましょう。繁華街やオフィス街、学生街など、ターゲットとする顧客層に適した場所を選ぶことが重要です。

また、競合店や他の飲食店についても確認し、差別化が図れる場所を見つけることが成功の鍵となります。将来の事業拡大や改装の可能性も考慮して、慎重に物件を選びましょう。

インテリア・内装工事

カフェの魅力はその内装にも大きく左右されます。おしゃれで心地よい空間を作り上げるために、デザインやカラースキーム、家具の選定に注意を払いましょう。カフェのコンセプトに合ったインテリアを取り入れ、お客様が快適に過ごせる雰囲気をつくるのです。

また、内装工事は計画的に進め、オープン前に仕上げておくことが重要です。顧客に良い印象を与え、リピーターを増やすために、内装にこだわりましょう。

メニュー開発

メニューはカフェの顔であり、成功を大きく左右します。ターゲット層の好みや地域の特性を踏まえ、バリエーション豊かで美味しいメニューを開発しましょう。健康志向のメニューや特定の食材にこだわったオリジナル料理も人気を呼び込む要素となります。メニュー開発は試行錯誤の連続ですが、お客様に満足してもらえるメニューを提供することがカフェの成功につながります。

スタッフの採用・教育

カフェの成功には優れたスタッフが不可欠です。スタッフの採用は慎重に行い、お店の雰囲気やコンセプトに合った人材を見つけましょう。一度採用したスタッフには研修を通じて、カフェの理念やサービスの基準についてしっかり教えます。お客様とのコミュニケーションやトラブル時の対応も含め、高いホスピタリティを持ったスタッフを育て上げることが、リピーター獲得や口コミでの評判向上につながります。

設備を整える

カフェのスムーズな運営には、適切な設備が欠かせません。まず、エスプレッソマシンやコーヒーグラインダーなどのカフェメニューに必要な調理機器を検討しましょう。POSシステムやクラウドベースの注文管理システムの導入も効果的です。

フリーWi-Fiや充実した電源設備など、お客様が快適に過ごせるような環境整備も重要です。計画的な設備導入により、オープン時からスムーズな運営が可能となります。

カフェの開業で必要な資格

カフェを開業する際に最低限必要になるのが「食品衛生責任者」の資格です。店舗規模によっては「防火管理者」の資格も必要になります。

食品衛生責任者

カフェの運営において、食品衛生に関する法令を遵守しなければなりません。食品衛生責任者の資格はカフェ開業における必須資格です。資格をただ取るのではなく、資格取得を通して得た知識を活かし、食材の管理や調理、清掃などの衛生基準を守りましょう。

防火管理者

収容人数30人以上の場合、防火管理者の資格が必要です。防火管理者の資格は店舗の延べ面積により2つに分かれています。

延べ面積が300平方メートル以上では2日間の講習を受ける「甲種講習」を、300平方メートル未満では1日のみの講習「乙種講習」を受けなければなりません

開業準備の段階で考えておきたい、カフェの集客戦略

インターネットやスマートフォンの普及により、現代の集客戦略は複雑になりました。カフェの開業準備の段階で、集客戦略についても考えておきましょう。

最低でもGoogleビジネスプロフィールに登録しよう

最低でもGoogleビジネスプロフィールへの登録はしておきましょう。Googleビジネスプロフィールに登録することで、Google ChromeやGoogleマップでの検索結果にお店の基本情報が表示されるようになります。これにより、地元のユーザーや来店確度の高いユーザーの集客がしやすくなるでしょう。

気軽に始められるSNS公式アカウントでファンを増やそう

SNSはコストをかけずに手軽にはじめられる集客方法です。FacebookやInstagram、Xなど、ターゲット層が利用するSNSで公式アカウントを開設しましょう。美味しいメニューやおしゃれな空間、スタッフの日常などを発信することで、フォロワーが増え、お店のファンを増やせます。イベントやキャンペーンの告知も行い、SNSを通じてコミュニケーションを深めましょう。

画像多め、ページ少なめのわかりやすい店舗HPを作ろう

わかりやすい店舗のWebサイトを構築しましょう。特に画像を多用し、お店の雰囲気や料理の魅力を伝えることが重要です。シンプルで、どこに何が書いてあるのかわかりやすい構成にすることを意識しましょう。営業時間やアクセス情報などの基本的な情報も明確に掲載します。

オリジナル商品をネットショップで販売するのもあり

カフェのオリジナリティを高め、収益の多角化を図る手段として、ネットショップでオリジナル商品を販売するのもおすすめです。カフェのロゴやキャラクターを使ったマグカップやTシャツ、限定商品の販売など、ファンにとって特別感のあるアイテムを提供しましょう。

オンライン販売は地域を超えて商品を届けることができ、お店のブランド拡大にも寄与します。SNSやWebサイトを活用して、ユーザーに商品の魅力をアピールし、ネットショップを通じて新たな収益源を開拓しましょう。

看板やチラシなどのアナログな方法は、地域住民の集客に強い

デジタルマーケティングが一般的になる中で、看板やチラシなどのアナログな方法も依然として有効です。特に地域住民への集客においては、目に留まりやすく効果的な広告手段といえます。

地元のコミュニティイベントや地域新聞に広告を掲載し、お店の特徴やイベントを地域住民にアピールしましょう。看板や配布するチラシのデザインにも工夫を凝らし、視覚的な訴求力を高めることが大切です。

カフェを開くためにすべきこと、考えることは多い!開業準備は早めに始めよう

カフェを開業する際にはさまざまな要素を考慮する必要があります。事業計画や資金調達、コンセプトの構築からスタッフの採用、集客戦略まで多岐にわたります。

成功のためには綿密な計画を立て、それに沿って着実に準備を進めることが欠かせません。早めに準備を始めることで余裕がうまれ、開業後も安定的な運営ができるでしょう。

結婚相談所の開業にはフランチャイズがおすすめ!その理由を、開業の流れや必要資金と併せて解説

結婚相談所の開業は、競争が激しく、集客が難しいという課題があります。本記事では、集客のサポートを受けられるフランチャイズを活用するメリットなど、結婚相談所の開業で失敗しないためのアイデアを解説します。

結婚相談所へのニーズは高まり続けている

結婚相談所へのニーズが高まり続けている理由は、大きく分けて2つあります。

1つは、結婚に対する意識の変化です。

かつては、結婚は「親が決めるもの」や「自然にするもの」という考え方が一般的でした。しかし、近年では、結婚は「自分の意志で選ぶもの」という考え方が広まっています。そのため、結婚相手を自分で探す際に、結婚相談所を利用する人が増えてきていると考えられます。

もう1つは、結婚・婚活に関する情報の充実です。

インターネットやSNSの普及により、結婚・婚活に関する情報が簡単に手に入るようになりました。そのため、結婚相談所を利用することで、効率的に結婚相手を探すことができるというメリットが認識され、利用者が増えていると考えられます。

結婚相談所を単なる「お見合いの代わり」と捉えている人は少なく、結婚・婚活に関するさまざまなサポートを求めている人が多いことも、ニーズが高まっている理由の1つです。

結婚相談所では、プロフィール作成やマッチング、お見合いのセッティングなどのサポートを受けることができます。また、カウンセラーによるアドバイスや、婚活セミナーなどの参加も可能です。

このように、結婚相談所は結婚相手を探すだけでなく、結婚・婚活に関するさまざまなサポートを受けられる場所として、注目を集めています。

結婚相談所を開業するメリット

結婚相談所を開業する3つのメリットを、他業種との比較を交えて紹介します。

開業・運営コストが低い

結婚相談所を開業するメリットとして、まず挙げられるのが、開業・運営コストが低いことです。

他業種では、店舗の賃料や設備の購入費用など、開業にかかる費用が大きく、また、人材を雇用して運営する場合は、人件費も大きな負担となります。

一方、結婚相談所は、店舗を借りずに自宅の一室で始めることもでき、また、システムやサービスを利用する場合は、それらの費用のみで開業することができます。

さらに、近年では、オンラインの結婚相談所が増えており、店舗を持たずに運営することも可能になっています。

オンラインの結婚相談所では、インターネット上でプロフィールの閲覧やお見合いの申し込みができるため、店舗を持つ必要がありません。

そのため、初期投資を抑えて開業することができ、また、ランニングコストも比較的低く抑えることができます。

自分ひとりで運営できる

結婚相談所を開業するメリットとして、次に挙げられるのが、自分ひとりで運営できることです。

他業種では、店舗やスタッフを管理する必要があり、そのために人件費や時間がかかります。

一方、結婚相談所は、自分ひとりで運営する場合も少なくありません。

自分ひとりで運営する場合は、人件費がかからないため、コストを抑えることができます。また、自分ひとりであるため、融通が利きやすく、自分のペースで仕事を行うことができます。たとえば、平日の仕事の合間に、土日や夜間に相談業務を行うことも可能です。

このように、結婚相談所は、自分ひとりで運営できるため、コストを抑えながら、自分のペースで仕事を進めることができます。

在宅で働ける

結婚相談所を開業するメリットとして、最後に挙げられるのが、在宅で働けることです。

他業種では、店舗に出勤して仕事をするのが一般的ですが、結婚相談所は、自宅の一室で仕事をすることも可能です。

在宅で仕事をする場合は、通勤やクライアントのもとへの移動がないため、時間と交通費を節約することができます。

また、自宅で仕事をすることで、子育てや介護などの家庭の事情と両立させやすいというメリットもあります。

このように、結婚相談所は、在宅で働けるため、時間や交通費の節約、家庭の事情との両立など、さまざまなメリットがあります。

結婚相談所を開業するデメリット

結婚相談所を開業するデメリットとして、まず挙げられるのが、フランチャイズや連盟に加盟しないと集客が難しいことです。

結婚相談所は、一般的に、会員制のサービスであるため、会員を集めることができなければ、成婚をさせることはできません。

しかし、自力で集客を行うには、広告宣伝費や人件費などのコストがかかり、また、ノウハウや経験がないと、効果的な集客を行うことが難しいという課題があります。

一方、フランチャイズや連盟に加盟すると、本部が持つ会員データベースや広告宣伝力などを活用して、集客を行うことができます。

そのため、自力で集客を行うよりも、効率的に集客を行うことが可能です。フランチャイズや連盟に加盟するためには、費用がかかりますが、加盟することによる集客や業務効率化のメリットは大きく、かかる費用以上の売上アップが期待できます。

結婚相談所の開業に必要な資金

個人で開業する場合

結婚相談所の開業に必要な資金は、運営方法や規模によって大きく異なりますが、個人で開業する場合の初期費用は、100万円~300万円程度が相場です。

具体的には、以下の費用がかかります。

  • システムやサービスの利用料:100万円~200万円程度
  • 加盟料:100万円~300万円程度
  • 事務所の賃料:5万円~10万円程度
  • 備品や消耗品の購入費:5万円~10万円程度

また、運営費用として、以下の費用がかかります。

  • 広告宣伝費:月額数万円~数十万円程度
  • 事務手数料:月額数万円程度
  • 会員の成婚料:会員1人あたり数十万円程度

このように、結婚相談所を開業するには、ある程度の資金が必要です。

ただし、初期費用を抑えるために、自宅の一室で開業したり、広告宣伝費を抑えたりするなどの工夫をすることも可能です。

フランチャイズで開業する場合

結婚相談所の開業に必要な資金は、運営方法や規模によって大きく異なりますが、フランチャイズで開業する場合の初期費用は、100万円~500万円程度が相場です。

具体的には、以下の費用がかかります。

  • 加盟料:100万円~300万円程度
  • 研修費:50万円~100万円程度
  • システムやサービスの利用料:100万円~200万円程度
  • 事務所の賃料:5万円~10万円程度
  • 備品や消耗品の購入費:5万円~10万円程度

また、運営費用として、以下の費用がかかります。

  • 広告宣伝費:月額数万円~数十万円程度
  • 事務手数料:月額数万円程度
  • 会員の成婚料:会員1人あたり数十万円程度

このように、フランチャイズで結婚相談所を開業する場合は、個人で開業する場合よりも初期費用が高くなります。

その理由は、加盟料や研修費などの費用がかかるためです。

しかし、フランチャイズに加盟することで、本部が持つ会員データベースや広告宣伝力などを活用して、集客を行うことができます。

また、本部からさまざまなサポートを受けることができるため、開業後の成功率を高めることができます。

開業・運転費とは別に、1年分の生活資金があると安心

結婚相談所の開業には、開業資金のほかに、1年分の生活資金があると安心です。

開業当初は、会員数が増えるまで、収益が安定しません。そのため、生活資金が足りなくなると、アルバイトなどで収入を得る必要が出てきます。しかし、アルバイトをしていると、事業に当てる時間が減り、会員の対応や成婚率の向上に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、生活の不安は、精神的な余裕を奪い、サービス品質の低下につながります。カウンセリングやマッチングなど、結婚相談所の業務は、相手の気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことが重要です。しかし、生活の不安を抱えていると、相手の気持ちに集中できず、的確なアドバイスやマッチングを行うことが難しくなります。

このように、結婚相談所を開業する際には、開業資金とは別に、1年分の生活資金を確保しておくことが重要です。生活資金に余裕があれば、事業に集中して、サービス品質の向上につなげることができます。

結婚相談所オーナーの年収目安は500万円ほど

結婚相談所のオーナーの年収は、500万円ほどが目安です。

結婚相談所は、会員制のサービスであるため、会員数が増えるほど、収益も増えます。そのため、会員数が多い大手結婚相談所のオーナーは、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。

一方、個人で運営する結婚相談所や、会員数が少ない結婚相談所のオーナーは、年収が500万円を下回る場合もあります。

このように、結婚相談所のオーナーの年収は、会員数によって大きく異なります。

結婚相談所は、自宅の一室で開業したり、広告宣伝費を抑えたりすることで、コストを抑えることができます。

また、結婚相談所は、副業から始めることも可能です。副業から始める場合は、開業資金や運営資金を抑えることができます。また、本業に支障が出ないように、時間を調整しながら、事業を拡大していくことができます。

このように、結婚相談所は他業種に比べて開業・運営コストを抑えることができ、副業から始めることもできることから、コツコツ年収アップを目指していける業種といえます。

結婚相談所の収入内訳

結婚相談所のクライアントが支払う料金には次のようなものがあり、オーナーはこの中から収入を得ています。

項目価格目安
入会費1万~10万円
月会費~2万円
お見合い費5,000~1.5万円
成婚費~30万円
パーティー・セミナー参加費~1万円
ブライダル関連費~30万円
結婚相談所の収入内訳

成婚費やブライダル関連費などの料金が高く、成婚が増えるほどオーナーも稼げる仕組みです。

【4ステップ】結婚相談所を開業するまでの流れ

結婚相談所を開業するまでの流れを、次の4つに分けて紹介します。

  1. 事業計画を立てる
  2. 集客の準備をする
  3. 必要な設備を準備する
  4. 開業届けを提出する

STEP1.事業計画を立てる

結婚相談所を開業する前に、まずは事業計画を立てることが重要です。事業計画は、結婚相談所の経営方針や具体的な施策をまとめたものです。

事業計画を立てる際には、以下の要素を検討する必要があります。

  • ターゲット層
  • サービスの内容
  • 料金体系
  • 集客方法
  • 運営体制

事業計画は、資金調達の際にも必要となります。事業計画書がしっかりしていれば、銀行や投資家からの信頼を得ることができ、資金調達の成功率を高めることができます。

STEP2.集客の準備をする

結婚相談所を開業するためには、集客が欠かせません。主な集客方法は、以下のとおりです。

  • インターネット広告
  • 雑誌や新聞などの広告
  • 街頭や駅でのチラシ配布
  • 紹介や口コミ
  • セミナーやイベントの開催
  • SNSの活用
  • ポータルサイトへの掲載 など

インターネット広告やセミナー・イベントの開催は、費用対効果が高く、ターゲット層を絞ってアプローチすることができます。雑誌や新聞などの広告は、信頼性や知名度を高めることができます。街頭や駅でのチラシ配布は、直接会員に情報を届けることができます。紹介や口コミは、最も効果的な集客方法のひとつです。

STEP3.必要な設備を準備する

必要な設備は実店舗の有無で変わってきます。

実店舗を構える場合、以下の設備を準備する必要があります。

  • 事務所
  • 机や椅子などの家具
  • パソコンやプリンターなどのOA機器
  • 書類や資料を保管するための棚やファイル
  • カウンセリングや面談を行うためのスペース
  • お見合いを行うためのスペース

事務所の場所は、ターゲット層の居住エリアや交通の便を考慮して選びましょう。家具やOA機器は、結婚相談所の雰囲気やイメージに合ったものを選びましょう。書類や資料を保管するための棚やファイルは、整理整頓しやすいものを選びましょう。カウンセリングや面談を行うスペースは、会員のプライバシーに配慮して、個室や半個室にするとよいでしょう。お見合いを行うスペースは、会員同士が落ち着いて会話できるようなスペースにしましょう。

実店舗を構えない場合、以下の設備を準備する必要があります。

  • パソコンやプリンターなどのOA機器
  • インターネット回線
  • 書類や資料を保管するためのストレージ

パソコンやプリンターなどのOA機器は、結婚相談所の業務に必要な機能を備えたものを選びましょう。インターネット回線は、安定した通信速度で利用できるものを選びましょう。書類や資料を保管するためのストレージは、セキュリティが万全なものを選びましょう。

実店舗を構えない場合は、自宅の一室やコワーキングスペースを活用することも可能です。ただし、会員とのカウンセリングや面談を行う場合は、プライバシーに配慮した場所を確保する必要があります。

STEP4.開業届を提出する

開業届は、個人事業主として事業を開始したことを税務署に届け出る書類です。開業届を提出することで、事業所得や雑所得などの所得税の申告や納税を行うことができるようになります。

開業届の提出手順は、以下のとおりです。

  1. 国税庁のウェブサイトから開業届の様式をダウンロードする。
  2. 必要事項を記入する。
  3. 提出先の税務署に郵送または持参する。

開業届の提出は義務付けられています。開業届を提出しなくても罰則はありませんが、税務署から調査や指導を受ける可能性があります。

結婚相談所の開業で失敗しないための4つのアイデア

結婚相談所の開業で失敗しないためのアイデアを4つ紹介します。

アイデア1.集客についてしっかり勉強する

結婚相談所の開業で失敗しないためには、集客が欠かせません。集客がうまくいかなければ、会員を獲得することができず、事業を継続することが困難になります。

そのため、結婚相談所を開業する際には、集客についてしっかり勉強しておくことが重要です。集客について勉強することで、効果的な集客施策を、コストを抑えて実施できるようになるでしょう。

アイデア2.差別化のために資格を取得する

結婚相談所を開業するためには、特別な資格は必要ありません。しかし、資格を取得することで、差別化を図ることができ、競合他社との競争に勝ちやすくなります。

特に、心理カウンセラーやファイナンシャルプランナーの資格は、結婚相談所の開業において役立つ可能性があります。

心理カウンセラーの資格を取得することで、相談者の心理状態を理解し、適切なアドバイスを行うことができるようになります。これは、相談者に安心感を与え、信頼関係を築くために役立ちます。

ファイナンシャルプランナーの資格を取得することで、結婚後の生活や資産形成に関するアドバイスを行うことができるようになります。これは、結婚後の生活をより豊かにするために役立ちます。

もちろん、資格を取得したからといって、必ず成功するわけではありません。しかし、資格を取得することで、信頼性や専門性を高めることができ、会員の獲得に有利に働く可能性があります。

アイデア3.結婚相談所連盟に加盟する

結婚相談所連盟とは、複数の結婚相談所が集まって会員情報を共有する組織です。連盟に加盟することで、自社の会員と他連盟の会員との間でお見合いが組めるようになるため、会員数の拡大につながります。

結婚相談所連盟に加盟することで、以下のメリットが得られます。

  • 会員数の拡大
  • 加盟料や入会金の割引
  • 研修やセミナーの受講
  • 広告や宣伝のサポート

会員数の拡大は、結婚相談所の成功にとって最も重要な要素です。結婚相談所連盟に加盟することで、自社の会員数を拡大し、事業を成功させやすくなります。

アイデア4.フランチャイズを活用する

フランチャイズとは、本部から商号、商標、ノウハウなどの権利を譲り受け、本部とフランチャイズ契約を締結して営業する事業形態です。

フランチャイズ本部は、自社の会員情報やノウハウを活用して、加盟店の集客をサポートします。そのため、加盟店は独自で集客を行う必要がなく、初期費用やランニングコストを抑えることができます。

他にも経営に関するアドバイスをもらったり相談をしたり、業務効率化に役立つ独自システムを提供してもらったり、さまざまなメリットがあります。

結婚相談所のおすすめフランチャイズ

フランチャイズに加盟することで、集客や経営に関する知識不足を補えます。特に集客面のメリットは大きく、加盟金やロイヤリティなどの費用以上の売上アップができるケースも多いです。

結婚相談所のおすすめフランチャイズを紹介するので、自分に合うチェーンを探してみてください。

NNR日本仲人連盟

NNR日本仲人連盟
  • 開業コストが黒字化しやすくサポートが充実
  • 登録会員数75,000名で業界最大級
  • 未経験でも人生経験が活かせる

日本仲人連盟(NNR)は、業界最大級の登録会員数を誇る結婚相談所です。会員数が多いほど理想の相手に出会えるチャンスが広がり、実績が挙がることで入会者が増えるという好循環が生まれていることが特徴です。

結婚相談所でのカウンセラーとして経験がなくても、運営をバックアップし各種研修や個別のサポートでノウハウを伝授します。また、初期費用が安価に抑えられており、研修費は全額無料と事業の早期安定化が見込めます。

NNRでは各種行事の開催や開業エリアが近い方々の懇親会を実施しているため、仲間ができやすい環境があります。人の人生を請け負う職種だからこそ苦しい時もありますが、一人ではなく仲間と連盟本部がそばにいることを実感でき、モチベーションを維持しながら事業を運営することが可能です。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:60万円(税抜)
運営費:8,000円~/月(税抜)
なし要問い合わせ要問い合わせ
NNR日本仲人連盟開業資金

NNR日本仲人連盟公式サイト

良縁会

良縁会
  • 最短1週間で開業可能
  • 全国の登録会員数約5万名
  • 開業後の運営も全面バックアップ

良縁会は、データベースマッチングで運命の人との出会いをお手伝いする結婚相談所です。創立から23年を超え、全国の登録会員数は49,210名にまでのぼります。

連盟に支払うロイヤリティーは一切発生せず、研修や書類テンプレートは無料と開業のスタートダッシュを安心して切れる、開業サポート体制が整っています。頭金を分割する特別プランを適用することで10万円から開業が可能です。

開業後も運営のサポートが手厚く、研修の他に開業後6か月は個別サポートとして毎月の面談で運営や集客のアドバイスが受けられます。サポートだけでなく、各種企業との連携があることや登録会員数が多いこともお見合いの成功率が高くなり、収益アップにつながりやすい仕組みがあります。

良縁会 (株式会社デンファレ)
開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:10万円(税抜)*加盟金分割頭金
月会費:1万円(税抜)
会員活動費(月額):500円/名
会員登録料:1,100円
開業時コンサル:6ヶ月間無料
なし要問い合わせ1,609社(提携グループ含む)
良縁会開業資金

良縁会公式サイト

IBJ

IBJ
  • 登録会員8万6千人
  • 月間25本の無料研修
  • 東証プライム上場企業が運営する連盟組織

IBJは、全国の加盟相談所とその会員をつなぐ日本最大級の結婚相談所ネットワークです。加盟相談所の会員同士で自由にお見合いを組むことができ、婚活カウンセラーがお見合いの調整や巨細のサポートを行っており、毎月6万件以上のお見合いを成立させています。

IBJでは、お見合いシステムの提供と婚活カウンセラーへの支援を行っています。AIを使ったお相手紹介や日程調整など一連の結婚相談所業務をフルサポートするシステムがあります。開業前の研修のほかに、開業後にも月間25本の無料研修を実施するなどサポート体制が充実しています。

会員数が多く、業界No.1の成婚数を生み出すIBJは事業継続率も97%と水準が高く、継続して事業を運営することが可能です。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:160万円
研修費:0円(加盟金に含まれる)
保証金:不要
物件費用:不要
開業準備金・運転資金・オープン費用等:不要
0円要問い合わせ4,091社 ※2023年11月時点
IBJ開業資金

IBJ公式サイト

日本ブライダル連盟

日本ブライダル連盟
  • 会員数約6万6千人
  • 50年の伝統を誇る
  • 顧客相談窓口を代行し、業務に集中できる環境がある

日本ブライダル連盟は、自社直営の相談所を持たず、結婚相談所の開業支援を行う団体です。設立から50年という永きにわたり良縁を繋いできた仲人文化を創造し、晴れの日をつくるライフワークをご提案しています。

開業したその日から結婚相談所としての活動ができるような加盟特典や活動ツールが充実しています。また、顧客から分かりやすい認証や資格を取得するための研修を実施しています。

結婚相談所の業務を行う中で会員様とトラブルが発生する場合もあります。しかし、日本ブライダル連盟では顧客トラブル対応を顧客相談窓口にて代行するため、業務に集中できる環境があります。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
開業費用:60~80万円(税込)
月会費:7,000~15,000円(税込)
なし要問い合わせ約2,000社 ※2023年10月時点
日本ブライダル連盟開業資金

日本ブライダル連盟公式サイト

MarriageDesignGroup

MarriageDesignGroup
  • 東証グロース上場企業が運営
  • 圧倒的な集客力で長期運営が可能
  • 開業前後の安心サポート

マリッジデザイングループ(MDG)は、東証グロース上場企業が運営する安心安全の結婚相談所連盟です。日本最大級の加盟相談所数を誇り、加盟相談所同士で会員データベースを共有することで他の相談所の会員へ紹介や申込が可能になります。

MDGを運営するリンクバルは数多くの出会いを支えるサービスを運営しており、多数の会員から結婚相談所への紹介を行っています。そのため、安定した集客を行うことができ、長期継続して運営することが可能になります。

業務ではマッチングシステムを導入しており、会員の入会・交際フォローから他の相談所との連絡まで結婚相談所運営業務を網羅する使いやすいシステムとなっています。また、加盟金は75万と他の結婚相談所連盟に比べて安いことが特長です。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:75万(税抜)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
MarriageDesignGroup開業資金

MarriageDesignGroup公式サイト

集客が難しい結婚相談所は、フランチャイズで開業するのがおすすめ

結婚相談所を開業するためには、集客が欠かせません。しかし、結婚相談所の開業は競争が激しく、集客が難しいという課題があります。

そのような状況において、フランチャイズで開業することは、集客のサポートを受けられるという大きなメリットがあります。フランチャイズ本部は、自社の会員情報やノウハウを活用して、加盟店の集客をサポートします。そのため、加盟店は独自で集客を行う必要がなく、初期費用やランニングコストを抑えることができます。

また、フランチャイズ本部は、経営に関するノウハウや経験も豊富に持っています。そのため、加盟店は経営に関するアドバイスをもらったり相談をしたりすることで、経営のスキルやノウハウを身につけることができます。

もちろん、フランチャイズで開業すれば必ず成功するわけではありません。しかし、フランチャイズを活用することで、結婚相談所の開業に必要なノウハウやサポートを受けることができ、成功の確率を高めることができます。

本記事で紹介したフランチャイズのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。加盟費やロイヤリティ、詳しいサポート内容など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。なるべくたくさんのチェーンの情報を集め、自分に合ったところを選ぶことが大切です。

店舗開業までのスケジュールと、準備すべきことを詳しく解説

店舗開業には、コンセプトやターゲット顧客の明確化、物件の選定や内装工事、メニューの作成や仕入れ、スタッフの採用や教育、必要な資格・届出の取得など、さまざまな準備が必要です。これらの準備をしっかりと行うためのスケジュールの立て方や注意点を解説します。

店舗開業までのスケジュール早見表

店舗開業までのおおまかなスケジュールは次のとおりです。

【開業12ヵ月前】

  • お店のコンセプトを決める
  • 店名を決め商標登録する

【開業11ヵ月前】

  • 事業計画を立てる
  • 事業計画書を作る

【開業8ヵ月前】

  • 出店エリアを決める
  • 内装業者と物件を回る

【開業6ヵ月前】

  • 資金調達

【開業4ヵ月前】

  • メニュー作りや商品選び

【開業3ヵ月前】

  • 内装・設備設計
  • 内装工事
  • 設備の購入

【開業2ヵ月前】

  • 什器や備品の購入
  • 商品の仕入れ
  • スタッフの採用・教育

【開業1ヵ月前】

  • 資格取得・届出
  • 最終確認
  • プレオープン

開業12ヵ月前

開業12ヵ月前は「お店のコンセプト決め」「店名を決め商標登録する」などの準備をしましょう。

お店のコンセプトを決める

店舗を開業するための準備として、まず「お店のコンセプトを決める」必要があります。

コンセプトとは、「どういうお店にしたいのか」という経営者の考え方です。

コンセプトが明確になっていないと、ターゲットも明確にならず、商品やサービスの方向性が定まりません。内装や雰囲気に統一感がないお店になり、マーケティングや宣伝の効果もあまり得られないでしょう。

コンセプトは自分の強みや得意なこと、ターゲット顧客のニーズなどを意識して考えます。そのうえで、出店エリアの地域特性や競合店の状況を踏まえて細部を調整していきます。

例えば、以下のようなコンセプトが考えられます。

  • 「地域の食材を活かした、健康的なカフェ」
  • 「一人でも気軽に立ち寄れる、おしゃれな雑貨屋」
  • 「子供から大人まで楽しめる、アミューズメント施設」

コンセプトが決まったら、それをもとに具体的な事業計画や方針を立てていきます。

店名を決め商標登録する

店名を商標登録すると、その店名を独占的に使用することができます。つまり、他の店舗が同じ店名を使えなくなるため、ブランドの確立や競合対策に役立ちます。店名を決める際には、以下の点に注意しましょう。

  • 覚えやすく、印象に残りやすい
  • ターゲット顧客に響く
  • 他店と差別化できる

また、商標登録をする際には、以下の点に注意しましょう。

  • 類似する店名がないか、商標調査を行う
  • 商標登録の対象となる商品やサービスに注意する

店名を決めたら、まずは商標調査を行い、類似する店名がないか確認しましょう。

商標調査は自分で行うこともできますが、専門家に依頼すると安心です。商標調査で類似する店名がなければ、特許庁のWebサイトから商標登録を申請しましょう。

開業11ヵ月前

開業11ヵ月前は事業計画を立て、事業計画書にまとめましょう。事業計画書は事業の方針を確認するためにも、資金調達を成功するためにも重要な書類です。

事業計画を立てる

事業計画とは、事業の目的、目標、戦略、実行計画などをまとめたものです。

事業計画を立てることで、以下のメリットがあります。

  • 事業の方向性や目標が明確になる
  • 必要な資金や人員が把握できる
  • 経営の進捗状況を把握・管理できる
  • 金融機関や取引先からの信頼を得られる

事業計画は、以下の項目を盛り込むとよいでしょう。

  • 事業の概要
  • 市場分析
  • 競合分析
  • ターゲット顧客
  • 商品・サービスの概要
  • 販売戦略
  • マーケティング戦略
  • 財務計画

事業計画を立てる際には、現実的な目標を設定し、実現可能な計画を立てることが大切です。そのうえで、定期的に計画を見直すことで、より安定して事業を続けていけるでしょう。

事業計画書を作る

店舗を開業する際には、資金調達が必要になる場合が多くあります。

その際には、金融機関や公庫から融資を受ける必要がありますが、融資審査では事業計画書が重要視されます。

事業計画書とは、事業の目的、目標、戦略、実行計画などをまとめたものです。事業の将来性や経営者の能力、返済能力などを判断するための資料として利用されます。

事業計画書を作成するにあたっては、以下の点を押さえましょう。

  • 事業の概要を明確にする
  • 市場分析を行い、需要や競合状況を把握する
  • ターゲット顧客を明確にする
  • 商品やサービスの特徴をアピールする
  • 販売戦略やマーケティング戦略を具体的に示す
  • 必要資金と収支計画を詳細に示す

事業計画書は、金融機関の審査に通過するためにも、店舗の成功のためにも欠かせません。

しっかりとした事業計画書を作成して、資金調達に成功しましょう。

開業8ヵ月前

開業8ヵ月前は出店エリアを決め、物件を探す時期です。

出店エリアを決める

出店エリアを決める際には、以下の点に注意しましょう。

【ターゲット顧客の居住エリア】

ターゲット顧客の居住エリアを把握することで、出店エリアを絞り込むことができます。例えば、若い女性をターゲットとするなら、繁華街や駅前などのエリアが考えられます。一方、ファミリー層をターゲットとするなら、住宅街や郊外のエリアが考えられます。

【競合店の状況】

競合店の状況を把握することで、競合に勝てる戦略を立てることができます。競合店の価格帯やメニュー、営業時間などを調査し、自店舗の強みや弱みを把握しましょう。

【交通アクセス】

交通アクセスの良さは、集客に大きく影響します。駅やバス停などの交通機関が近くにあるエリアは、集客しやすいでしょう。

【物件の条件】

物件の条件は、店舗の規模やコンセプトによって異なります。例えば、大規模な店舗を構えるなら、広い物件が必要です。一方、小規模な店舗を構えるなら、狭くても良いでしょう。

出店エリアを決める際には、これらの点を総合的に検討しましょう。

内装業者と物件を回る

店舗を開業するための準備として、「物件選び」は重要なポイントです。

物件選びの際には、以下の点に注意しましょう。

【立地】

立地は、集客に大きく影響します。駅やバス停などの交通機関が近くにある、ターゲット顧客の居住エリアに近いなど、集客に有利な立地の物件を選びましょう。

【面積】

面積は、店舗の規模やコンセプトによって異なります。大規模な店舗を構えるなら、広い物件が必要です。一方、小規模な店舗を構えるなら、狭くても良いでしょう。

【設備】

設備は、店舗の営業に必要なものが揃っているか確認しましょう。例えば、厨房設備やトイレ、駐車場などです。

【費用】

費用は、物件の賃料や内装工事費など、開業に必要な費用をすべて含めて検討しましょう。

物件選びの際には、内装工事を依頼する業者と一緒に見学することをおすすめします。物件の特徴をより深く理解でき、より正確な見積もりを出してもらったり、トラブルを未然に防いだりできるからです。

開業6ヵ月前

資金調達が必要な場合、開業6ヵ月前を目安に手続きを進めましょう。

資金調達

店舗を開業するためには、物件取得費や内装工事費、仕入れ費など、多額の資金が必要です。

資金調達の方法としては、以下のようなものがあります。

【自己資金】

自己資金とは、個人で用意した資金です。自己資金をできるだけ多く用意しておくことが、資金調達の成功率を高めるポイントです。

【融資】

融資とは、金融機関や公庫から借り入れる資金です。日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や、自治体の「創業支援制度」など、創業支援のための融資制度も利用できます。

【クラウドファンディング】

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法です。SNSやブログなどで情報発信して、多くの人に応援してもらうことが成功のポイントです。

資金調達の方法は、開業する店舗の規模や事業内容によって異なります。複数の方法を組み合わせて、必要な資金を確保しましょう。

開業4ヵ月前

開業4ヵ月前はメニュー作りや商品選びなど、お店づくりの根幹に関わる準備をする時期です。開業の成否を分ける重要な作業ではありますが、進めていて楽しい作業でもあります。

メニュー作りや商品選び

メニューや商品は、店舗の売上や集客に大きく影響します。

ターゲット顧客のニーズを把握し、競合店の状況を調査して、自店舗ならではのメニューや商品を開発しましょう。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • ターゲット顧客の年齢や性別、趣味やライフスタイルなどを把握する
  • 競合店のメニューや商品の価格帯や内容を調査する
  • 自店舗の強みや弱みを分析する
  • 自店舗ならではのメニューや商品のアイデアを出す
  • 人件費削減のために作業効率も考える

ターゲット顧客のニーズや競合店の状況などを踏まえて、売れるメニューや商品を選ぶことで、店舗の成功につながります。

開業3ヵ月前

開業3ヵ月前は内装の設計や工事を行います。飲食店の場合、厨房設備の購入もこの時期に済ませておきましょう。

内装・設備設計

店舗を開業する際には、内装や設備の設計も重要なポイントです。

内装や設備は、店舗の雰囲気や快適さに大きく影響します。また、衛生管理や安全性などの観点からも重要です。

そのため、ターゲット顧客のニーズや競合店の状況を踏まえて、自店舗に適した内装や設備を設計することが重要です。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • ターゲット顧客の年齢や性別、趣味やライフスタイルなどを把握し、ターゲット顧客が求める雰囲気やコンセプトを決める
  • 競合店の内装や設備を調査して、自店舗の差別化を図る
  • 食品衛生法や消防法などの法令や規制を遵守し、安全性や衛生管理を徹底する
  • 予算を決め、施工業者を選ぶ

内装工事

店舗を開業する際には、内装工事が必要です。内装工事の流れは、以下のとおりです。

【1.設計施工業者選定】

内装工事を依頼する業者を選びます。複数の業者に見積もりを出してもらい、実績や保証内容などを比較して、信頼できる業者を選びましょう。

【2.打ち合わせ】

業者と打ち合わせをして、内装のデザインや仕様などを決めます。図面やイメージボードなどを作成して、イメージを共有しましょう。

【3.見積もり】

業者から見積もりを出してもらい、内容を確認します。見積もりに不明な点があれば、業者に質問しましょう。

【4.契約】

見積もりに納得できたら、業者と契約します。契約書の内容をよく確認して、署名や捺印をしましょう。

【5.工事】

業者が内装工事を行います。工事期間や工事内容を確認して、業者とスケジュールを調整しましょう。

【6.竣工・引き渡し】

工事が完了したら、業者から竣工書類を受け取り、店舗を引き渡してもらいます。

内装工事は、店舗の雰囲気や快適さに大きく影響する重要な工程です。しっかりとした計画と準備をしておきましょう。

設備の購入

飲食店を開業する際には、厨房設備の購入が必要です。厨房設備は、料理の提供や調理に欠かせないものです。

提供するメニューや商品に合わせて、必要な設備を決め、予算内で複数の業者に見積もりを取り、保証内容を確認しましょう。

例えば、ラーメン店なら、麺茹で機や中華鍋などの設備が必要です。また、予算オーバーを防ぐためにも、複数の業者に見積もりを取り、保証内容を確認して万が一故障した場合の対応を検討しておきましょう。

厨房設備の購入は、店舗の運営に欠かせない重要な工程です。しっかりとした計画と準備をしておきましょう。

開業2ヵ月前

開業2ヵ月前になったら細かな什器や備品の購入、商品の仕入れを行います。この時期に採用も済ませ、スタッフの教育にも着手しておくといいでしょう。

什器や備品の購入

什器や備品は、店舗の雰囲気や快適さに大きく影響します。また、店舗の運営に欠かせないものです。店舗の規模やコンセプトに合わせて、必要な什器や備品を決め、予算内で複数の業者に見積もりを取り、納期や保証内容を確認しましょう。

例えば、小規模な店舗なら、簡易的な什器や備品で十分かもしれません。また、予算オーバーを防ぐためにも、複数の業者に見積もりを取り、納期や保証内容を確認して、万が一故障した場合の対応を検討しておきましょう。

商品の仕入れ

商品の仕入れは、店舗の売上を左右する重要な要素です。ターゲット顧客のニーズを把握し、競合店の状況を調査した上で、自店舗に合った商品を仕入れましょう。

また、仕入れ先は複数にしておくと、価格や納期の交渉がしやすく、万が一のトラブルにも対応しやすくなります。

スタッフの採用・教育

スタッフの採用にあたっては、店舗のコンセプトに合った人材を採用すること、スキルや経験だけでなく人柄やマインドも重視することを心がけましょう。

店舗のコンセプトに合った人材を採用することで、顧客に良い印象を与え、店舗の雰囲気をより良くすることができます。

スキルや経験は重要ですが、それ以上に人柄やマインドが大切です。スタッフが顧客に親切で丁寧な対応をしてくれるかどうかは、これらに大きく左右されます。

スタッフの教育も重要です。店舗の理念やコンセプトをしっかりと理解させること、店舗のルールや仕組みを伝えることで、ライバル店との差別化を図りやすくなるでしょう。

開業1ヵ月前

開業1ヵ月前になったら業態に応じて必要な資格の取得や届出を済ませ、開店に向けた最終確認を行いましょう。この時期にプレオープンをすることもあります。

資格取得・届出

店舗を開業するために必要な資格・届出は、以下の通りです。

【資格】

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 調理師免許(調理を主とする飲食店の場合)

【届出】

  • 飲食店営業許可
  • 防火対象設備使用開始届
  • 火を使用する設備などの設置届
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届
  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 労働基準監督署への届出
  • 公共職業安定所への届出
  • 社会保険事務所への届出(法人の場合)

これらの資格・届出は、店舗の業種や規模によって必要なものが異なります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

最終確認

店舗を開業するためには、開店1週間前を目安に最終確認を行います。最終確認では、以下のような点を確認します。

  • 設備や備品の動作確認
  • 食材や資材の準備
  • オペレーションの確認

開店当日にお客さまを集められるように、販促・集客の準備が十分に行われているかを確認します。チラシやポスターの配布、SNSでの告知などを行っていることを確認しましょう。

プレオープン

店舗を開業する前に、プレオープンを行うことがあります。プレオープンは、正式な開店前に、実際に店舗を営業して、オペレーションや接客などの確認を行うことで、店舗の開業準備をより万全なものにするための重要な工程です。正式な開店時と同じ体制で営業できるように、しっかりと準備して、プレオープンを成功させましょう。

店舗の開業準備には1年ほどかかる!スケジュールを決め、余裕を持って進めよう

店舗の開業準備には、1年ほどかかると言われています。コンセプトやターゲット顧客の明確化、物件の選定や内装工事、メニューの作成や仕入れ、スタッフの採用や教育、必要な資格・届出の取得、販促・集客の準備など、さまざまな準備が必要だからです。

これらの準備をしっかりと行うためには、余裕を持ってスケジュールを立てることが大切です。物件の選定は、1年以上前から始めるのが理想です。必要な資格・届出は、早めに取得しておきましょう。プレオープンは、正式な開店前に必ず行い、オペレーションや接客などの確認を行いましょう。

店舗の開業は、人生の大きなチャレンジです。しっかりと準備をして、成功を収めましょう。

飲食店を開業するまでの流れと準備期間|各工程で大切なことやコツも解説

飲食店の開業準備には12ヵ月ほどかかります。本記事では飲食店の開業準備で何を、いつまでにすればいいのかを解説。物件の選び方や事業計画書の重要性など、各工程のポイントも紹介します。

飲食店を開業するまでにかかる期間と流れ

飲食店開業までの大まかな流れは次のとおりです。

  1. 開業12ヵ月前:コンセプト作り
  2. 開業11ヵ月前:店名決定と商標登録
  3. 開業10ヵ月前:事業計画書作り
  4. 開業8ヵ月前:物件選び
  5. 開業6ヵ月前:資金調達
  6. 開業4ヵ月前:メニュー作り
  7. 開業3ヵ月前:内装・設備設計
  8. 開業3ヵ月前(2)内装工事
  9. 開業3ヵ月前(3):厨房設備の購入
  10. 開業2ヵ月前:什器や備品の購入
  11. 開業2ヵ月前(2):スタッフの採用・教育
  12. 開業1ヵ月前:資格取得・届出
  13. 開業1週間前:最終確認
  14. 開業1週間前(2):プレオープン

各工程で何をすればいいのか、どのようなことを意識すればいいのかを紹介します。

開業12ヵ月前:コンセプト作り

飲食店を成功に導くためには、独自のコンセプトが重要です。お店のテーマやスタイル、提供する料理や雰囲気を明確にしましょう。顧客層や地域のニーズを考慮した個性的なコンセプトが、集客につながります。

開業11ヵ月前:店名決定と商標登録

店名はブランドの象徴であり、商標登録はブランドの保護につながります。商標登録前に、同じまたは類似した店名が既に登録されていないか確認しましょう。独自性のある店名がブランドの差別化につながります。

店名が商標登録されていないか調べよう

商標登録された店名を使用することで、すでに登録されたブランドとの法的な紛争が生じる可能性があります。これには損害賠償や営業停止命令などが含まれます。後から商標問題が浮上した場合、急遽店名を変更する必要が生じ、これには広告や宣伝のリスク、費用が発生します。

法的トラブルに発展しなかったとしても、他の事業者と同じまたは類似した店名を使用することで、顧客や市場に混乱が生じ、自店のブランドイメージが損なわれる可能性があります。

店名の商標登録確認は、将来的なリスクを回避するために不可欠です。商標権の尊重はビジネスの基本です。事前の調査を怠らず、オープンに向けて法的な問題を未然に防ぎましょう。

開業10ヵ月前:事業計画書作り

事業計画書はビジョンや目標、財務計画を明確にした重要な文書です。将来の経営に備え、リスクやチャンスを見極め、事業計画書を作成しましょう。計画が具体的であれば、資金調達もしやすくなります。

資金調達における事業計画書の重要性

事業計画書は、開業に必要な資金の明確な見積もりを出すために必要です。内装工事、機器の購入、初期在庫、広告宣伝など、様々な項目ごとに必要な資金を洗い出し、具体的な金額を提示します。これにより、資金調達を行う際に必要な額を正確に把握し、調達先との交渉に役立ちます。

資金提供者は、事業計画書を通じて事業の計画や見込みを詳細に把握します。利益予測、返済計画、事業の成長戦略などを明示することで、投資家や融資機関を説得しやすくなります。説得力のある事業計画書は、資金調達の成功に直結します。

柔軟な事業運営のためには綿密な事業計画が必要

事業計画書は、開業後の目標や事業戦略を明確に設定する手助けをします。目標の設定は、具体的な方向性を示し、スタッフや関係者を一丸として目標達成に向けて動かせる基盤を築きます。

事前にリスクや変動要因を分析し、柔軟な対応策を計画に組み込むことで、予期せぬ課題にも迅速に対処できるでしょう。

開業8ヵ月前:物件選び

適切な物件の選定は、成功の鍵となります。内装や広さ、周辺の環境などを検討し、将来の事業展開に適した場所を見つけましょう。内装工事の業者と協力して物件を見学することで、具体的なプランを立てやすくなります。

立地の種類と選び方

【商業エリア】

商業エリアは通行量が多く、多くの人々が集まる場所です。特に飲食店にとってはランチやディナーの需要が見込めます。オフィス街やショッピングモール周辺などが代表的な商業エリアと言えます。

【住宅エリア】

住宅エリアは、近隣住民の利用が主体となります。ファミリー向けのレストランやカフェ、地域密着型の飲食店が成功しやすいです。周辺の住民構成やライフスタイルを意識することが重要です。

【観光地やイベント会場周辺】

観光地やイベント会場周辺は、観光客やイベント参加者が多く訪れるため、観光業態やイベント向けの飲食店が適しています。独自のアピールポイントで差別化を図りましょう。

物件選びのポイント

【交通アクセス】

アクセスが良く、車や公共交通機関での利便性が高い場所が望ましいです。駅やバス停からの距離や駐車場の有無を確認しましょう。

【競合店の有無】

周辺に競合店が多い場合、差別化が求められます。逆に競合が少ないエリアであれば、新しい需要を開拓しやすくなります。

【街の特性】

周辺の街の特性や傾向を理解し、それに合った業態を選定しましょう。例えば、若年層が多いエリアならばカジュアルでアットホームな雰囲気が受け入れられるかもしれません。

物件選びは、飲食店の成功に直結する重要なステップです。立地や周辺環境を検討しながら、ターゲット層に合った適切な物件を見つけることで、集客や収益の面で有利なスタートを切ることができます。

開業6ヵ月前:資金調達

事業計画書が完成したら、次は資金調達です。銀行融資や投資家からの調達など、適切な方法を検討しましょう。資金の使途を明確にし、リターンを示すことで資金調達の成功が見込まれます。

開業4ヵ月前:メニュー作り

お店の看板ともいえるメニューは、開業前にしっかりと考え抜く必要があります。ターゲット層や地域の特性に合わせ、バリエーション豊かな料理を提供することで、お客様の期待に応えられます。原価計算も忘れずに行い、適正な価格設定を心がけましょう。

開業3ヵ月前:内装・設備設計

店内の雰囲気やレイアウト、必要な設備などを具体的に計画します。おしゃれで居心地の良い空間は、お客様の心を引き寄せる重要な要素です。内装工事や設備の選定は、専門家と相談しながら進めましょう。

開業3ヵ月前(2):内装工事

計画が固まったら、いよいよ内装工事に着手します。施工業者とのスケジュール調整や進捗管理をしっかり行い、オープンに向けてスムーズに進めましょう。

開業3ヵ月前(3):厨房設備の購入

飲食店にとって厨房は中心となるエリアです。必要な厨房機器や調理器具を選定し、購入手続きを進めましょう。頻繁なメンテナンスや清掃を考慮した設計が、長期的な運営に役立ちます。

開業2ヵ月前:什器や備品の購入

お店の雰囲気を演出するために必要な什器や備品を選定・購入します。テーブルや椅子、照明など、おしゃれで機能的なアイテムを選ぶことで、お客様に快適な空間を提供できます。細部にこだわりながら、店内のイメージを整えましょう。

開業2ヵ月前(2):スタッフの採用・教育

経験豊富なスタッフの採用が成功への近道です。シェフやサービススタッフなど、各ポジションに適した人材を選び、必要ならトレーニングや教育プログラムを用意しましょう。スタッフ一人ひとりがお店の理念を理解し、お客様に良い印象を与えられるようにします。

開業1ヵ月前:資格取得・届出

食品衛生責任者や防火管理者など、開業に必要な資格を取得しましょう。また、営業の届出や法的な手続きもこの時期に行います。

開業1週間前:最終確認

開業直前には、全てのプロセスが順調に進んでいるか最終確認を行います。予定通りに工事が進み、什器や備品は揃っているかなど、細かな点も見逃さず確認しましょう。トラブルを最小限に抑え、オープンに備えましょう。

開業1週間前(2):プレオープン

開業前に一般公開するプレオープンを行い、地元の人々や関係者にお店を紹介します。フィードバックを受けつつ、最終調整を行うことで、正式な営業開始に向けて最良の状態を作り出します。

飲食店の開業は計画と準備の積み重ねです。スケジュール通りに進め、柔軟に対応しながら夢を実現させましょう。

飲食店の開業準備は12ヵ月を目安に、スケジュールどおりに進めよう

飲食店の開業は緻密な計画と慎重な実行が求められるプロセスです。全ての工程を12ヵ月のスケジュールに基づいて着実に進めることで、開業時のトラブルを最小限にし、お店の成功に大きく近づけます。

計画をしっかりと練り上げ、柔軟に対応しながら一歩一歩前進していきましょう。成功への道のりは長いかもしれませんが、計画通りに進めることで、夢の飲食店を着実に実現できます。

飲食店の開業に必要な資格・届出を、提出先と必要なケースと併せて紹介

飲食店の開業に必要な資格や届出を、提出先や取得方法、必要になるケースと併せて紹介します。取得するメリットや方法も具体的に解説するので、飲食店の開業準備を進めやすくなるでしょう。

飲食店の開業に必要な2つの資格

飲食店の開業に最低限必要な2つの資格を紹介します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者とは、飲食店や食品製造工場などの食品営業施設において、製造、調理、販売等が衛生的に行われるように管理する責任者です。食品衛生法第51条では「営業者は食品衛生責任者を定めなければならない」とされています。

食品衛生責任者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 食品衛生監視員、食品衛生管理者となる資格のある者
  • 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者
  • 各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者講習」を受講し、修了試験に合格する

食品衛生責任者講習は、各都道府県の食品衛生協会が開催しており、1日または2日間の講習を受講することで取得できます。受講費用は、各都道府県によって異なります。

食品衛生責任者は、飲食店の開業に必要な資格の1つです。飲食店を開業する際には、必ず食品衛生責任者を置く必要があります。

食品衛生責任者の役割は、食品衛生法に基づく衛生管理の実施です。具体的には、以下の業務を行う必要があります。

  • 食品衛生マニュアルの作成・管理
  • 従業員への衛生教育・指導
  • 食品の衛生管理
  • 施設の衛生管理

食品衛生責任者は、飲食店の衛生管理を担う重要な役割を担っています。飲食店を開業する際には、食品衛生責任者の役割を理解し、適切な管理を行うことが重要です。

防火管理者

防火管理者とは、防火対象物における火災予防の業務を統括する責任者です。消防法第17条では「防火対象物は、防火管理者を選任しなければならない」とされています。

防火管理者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 甲種防火管理者
  • 乙種防火管理者

甲種防火管理者は、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル以上の防火対象物に必要な資格です。乙種防火管理者は、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル未満の防火対象物に必要な資格です。

甲種防火管理者講習は、全国の消防学校や消防団などで開催されており、2日間の講習を受講することで取得できます。乙種防火管理者講習は、全国の消防学校や消防団などで開催されており、1日または2日間の講習を受講することで取得できます。

防火管理者は、飲食店の開業に必要な資格の1つです。飲食店を開業する際には、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル以上の場合は、甲種防火管理者を、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル未満の場合は、乙種防火管理者を必ず選任する必要があります。

防火管理者の役割は、防火対象物の火災予防に関する業務を総合的に管理・実施することです。具体的には、以下の業務を行う必要があります。

  • 防火計画の作成・実施
  • 防火設備の点検・整備
  • 従業員への防火教育・指導

防火管理者は、飲食店の安全を守る重要な役割を担っています。飲食店を開業する際には、防火管理者の役割を理解し、適切な管理を行うことが重要です。

なお、防火管理者は、資格の有効期限が5年となっています。有効期限が切れた場合は、講習を受講して更新する必要があります。

調理師免許は基本的に不要

飲食店の開業には、調理師免許は基本的に不要です。これは、調理師免許は、調理師としての技術や知識を有することを証明する資格であり、飲食店の衛生管理や安全確保とは直接関係しないからです。

飲食店を開業するためには、食品衛生法に基づく「食品衛生責任者」を置く必要があります。食品衛生責任者は、飲食店の衛生管理を統括する責任者であり、調理師免許を取得していなくてもなることができます。

また、飲食店の規模によっては「防火管理者」も選任する必要があります。防火管理者は、飲食店の火災予防に関する業務を統括する責任者であり、調理師免許を取得していなくてもなることができます。

ただし、調理師免許を持っていることで、以下のメリットがあります。

  • 食品衛生責任者講習の受講が免除される
  • ふぐ調理師の資格を取得できる
  • 調理師としての技術や知識を証明できる

食品衛生責任者講習の受講が免除されることで、調理師免許を持っている人は、食品衛生責任者になるための手間と費用を省くことができます。また、ふぐ調理師の資格は、調理師免許を取得していなければ受験することができません。

調理師免許は、飲食店の開業に必須ではありませんが、取得することで、飲食店経営の効率化や、顧客からの信用を得ることにつながる可能性があります。

飲食店の開業に必要な届出

飲食店の開業に最低限必要な届出を4つ紹介します。

食品営業許可

食品営業許可とは、食品衛生法に基づく許可であり、食品を扱う営業を行う際に必要な許可です。飲食店を開業する際には、必ず食品営業許可を取得する必要があります。

食品営業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 食品衛生法で定められた施設基準を満たしていること
  • 食品衛生責任者を置いていること
  • 営業者(代表者)が食品衛生法の規定を遵守する意思があること

食品営業許可の申請は、開業予定地を管轄する保健所に行います。申請に必要な書類は、保健所のホームページなどで確認することができます。

食品営業許可の有効期限は、5年です。有効期限が切れた場合は、更新申請を行う必要があります。

食品営業許可を取得することで、以下のメリットがあります。

  • 食品の衛生管理に関する指導を受けることができる
  • 営業の開始や変更の際に、保健所への届出が不要になる
  • 営業許可証を表示することで、顧客からの信用を得ることができる

食品営業許可は、飲食店を開業する際に必ず取得しなければならない重要な許可です。飲食店を開業する際には、早めに必要な手続きを進めるようにしましょう。

なお、食品営業許可の申請の際には、以下の書類を提出する必要があります。

  • 申請書
  • 営業許可申請書
  • 営業者の住民票の写し
  • 食品衛生責任者の資格証明書
  • 施設の平面図
  • 設備図
  • 営業設備の設置承認申請書(必要に応じて)
  • 従業員名簿(必要に応じて)

申請書類の作成には、専門の業者に依頼することもできます。

防火管理者選任届

防火管理者選任届とは、防火対象物において防火管理者を選任したことを所轄の消防署に届け出る書類です。飲食店を開業する際には、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル以上の場合は、甲種防火管理者を、収容人数が30人以上で延べ面積が300平方メートル未満の場合は、乙種防火管理者を必ず選任する必要があります。

防火管理者選任届の提出期限は、特に定められていません。ただし、防火対象物の使用開始日の7日前までに提出することが望ましいといわれています。

防火管理者選任届に記載する内容は、以下のとおりです。

  • 防火対象物の名称
  • 防火対象物の所在地
  • 防火管理者の氏名
  • 防火管理者の資格

防火管理者選任届は、所轄の消防署の窓口で提出することができます。また、郵送でも提出することができます。

防火対象設備使用開始届

防火対象設備使用開始届とは、防火対象物において火を使用する設備を設置して使用を開始したことを所轄の消防署に届け出る書類です。飲食店を開業する際には、火を使用する設備(コンロ、ボイラー、給湯湯沸設備、乾燥設備、サウナ設備、ヒートポンプ冷暖房機、火花を生ずる設備など)を設置する場合、必ず防火対象設備使用開始届を提出する必要があります。

防火対象設備使用開始届の提出期限は、設置工事の完了後、7日以内です。

防火対象設備使用開始届に記載する内容は、以下のとおりです。

  • 防火対象物の名称
  • 防火対象物の所在地
  • 設置した火を使用する設備の名称
  • 設置した火を使用する設備の設置場所

防火対象設備使用開始届は、所轄の消防署の窓口で提出することができます。また、郵送でも提出することができます。

火を使用する設備等の設置届け

火を使用する設備等の設置届けとは、火を使用する設備(コンロ、ボイラー、給湯湯沸設備、乾燥設備、サウナ設備、ヒートポンプ冷暖房機、火花を生ずる設備など)を新設・増設・移設する際に、あらかじめ所轄の消防署に届け出る書類です。飲食店を開業する際には、火を使用する設備を設置する場合、必ず火を使用する設備等の設置届けを提出する必要があります。

火を使用する設備等の設置届けの提出期限は、設置工事着工の7日前です。

火を使用する設備等の設置届けに記載する内容は、以下のとおりです。

  • 防火対象物の名称
  • 防火対象物の所在地
  • 設置する火を使用する設備の名称
  • 設置する火を使用する設備の設置場所
  • 設置する火を使用する設備の概要

火を使用する設備等の設置届けは、所轄の消防署の窓口で提出することができます。また、郵送でも提出することができます。

飲食店の種類によって必要になる届出・手続き

開業する飲食店の業態や営業スタイルによって必要になる届出・手続きを紹介します。

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書とは、午後12時から午前6時までの時間帯に酒類を提供することを予定している飲食店が、所轄の警察署に提出する届出書です。

深夜における酒類提供飲食営業を行うためには、食品衛生法に基づく食品営業許可のほか、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく「深夜における酒類提供飲食営業開始届出」が必要となります。

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書の提出期限は、営業開始日の10日前です。

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書に記載する内容は、以下のとおりです。

  • 営業者(代表者)の氏名・住所・連絡先
  • 営業所の名称・所在地・営業時間
  • 営業内容(酒類の種類・提供方法など)

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書は、所轄の警察署の窓口で提出することができます。また、郵送でも提出することができます。

風俗営業許可

風俗営業許可とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく許可であり、風俗営業を行う際に必要な許可です。

風俗営業とは、客に飲食や接待などを行い、または一定の設備で遊興させる営業のことをいいます。具体的には次のような業種がこれにあたります。

  • バー
  • スナック
  • パブ
  • キャバレー
  • クラブ
  • カラオケ店
  • ゲームセンター
  • インターネットカフェ など

風俗営業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 風営法で定められた施設基準を満たしていること
  • 風俗営業の責任者を置いていること
  • 営業者(代表者)が風営法の規定を遵守する意思があること

風俗営業許可の申請は、開業予定地を管轄する警察署に行います。申請に必要な書類は、警察署のホームページなどで確認することができます。

社会保険への加入

法人として飲食店を開業する場合、従業員を雇用する際には、社会保険への加入が必要です。社会保険とは、国民年金、健康保険、労災保険、雇用保険の4つの保険の総称です。

国民年金は、老齢、障害、死亡などの場合に給付を受けられる保険です。健康保険は、病気やけが、出産などの場合に給付を受けられる保険です。労災保険は、仕事中にケガや病気になった場合に給付を受けられる保険です。雇用保険は、失業や育児、介護などの場合に給付を受けられる保険です。

社会保険への加入は、従業員の労働条件の改善や、労働者の生活の安定を図るために、法律で定められています。

法人として飲食店を開業する場合、従業員を雇用する際には、以下の手順で社会保険への加入手続きを行います。

スタッフを雇用する場合に必要な手続き

飲食店を開業し、スタッフを雇用する場合に必要な手続きを紹介します。

労災保険への加入

飲食店を開業して従業員を雇う場合、労災保険に加入する必要があります。労災保険とは、仕事中にケガや病気になった場合に給付を受けられる保険です。

労災保険への加入は、事業主の義務です。加入しないと、労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性があります。

加入手続きは、従業員を雇用した日から10日以内に、労働基準監督署に「労災保険関係成立届」を提出します。また、労災保険料は、事業主が納付します。

労災保険に加入すると、労働者が仕事中にケガや病気になった場合に、療養費や休業補償、障害補償、遺族補償などの給付を受けることができます。

雇用保険への加入

飲食店を開業して従業員を雇う場合、雇用保険に加入できます。雇用保険とは、失業や育児、介護などの場合に給付を受けられる保険です。

雇用保険への加入は、事業主の任意です。加入すると、従業員が失業した場合に失業手当を受給できます。また、育児休業や介護休業中の給付、雇用保険の教育訓練給付など、さまざまな給付を受けることができます。

雇用保険への加入は、労働基準監督署で手続きできます。加入手続きは、従業員を雇用した日から10日以内に行う必要があります。

開業する飲食店のタイプや企業形態により、必要な資格・届出は異なる

飲食店を開業する際には、食品衛生責任者の資格取得や、営業許可の取得など、さまざまな資格・届出が必要です。

必要な資格・届出は、開業する飲食店のタイプや企業形態によって異なります。

例えば、深夜に酒類を提供する飲食店を開業する場合は、風俗営業許可の取得が必要です。また、法人として飲食店を開業する場合は、社会保険への加入が必要です。

飲食店を開業する際には、事前に必要な資格・届出を確認し、手続きを進めるようにしましょう。

開業年数ごとの飲食店が潰れる確率は?必要資金や失敗しないためのアイデアも紹介

飲食店は開業から3年以内の廃業率が50%近い、潰れる確率が高い業種です。本記事では潰れる確率を低くするためのアイデアや飲食店を開業するために必要な資金について解説。低コスト・低リスクで開業できる飲食店フランチャイズも紹介します。

開業年数ごとの飲食店が潰れる確率

開業年数ごとの飲食店が潰れる確率

出典:【閉店店舗のデータから分析】閉店しやすい飲食店の傾向とは 飲食店ドットコム 居抜き売却

飲食店ドットコムを運営する株式会社シンクロ・フードの調査によると、飲食店の約半数が開業から2年以内に潰れていることがわかります。これはほかの業種と比較しても非常に高い水準です。

飲食店は、流行やトレンドの影響を大きく受けやすい業界です。新しく流行ったメニューや業態が登場すれば、それまで繁盛していたお店もあっという間に客足が途絶えてしまうかもしれません。

業態がさまざまであり経営が難しいことも、飲食店の潰れる確率が高い一因でしょう。飲食店の業態は居酒屋、カフェ、レストラン、ファストフード、弁当屋など多岐にわたります。それぞれの業態には異なる経営ノウハウや需要があります。適切な業態とそれに合う立地を選べないと、経営が立ち行かなくなる可能性が高くなります。

何より、飲食業界は競争が激しいです。常に新しいお店が参入・撤退をくり返す飲食業界で生き残るためには、常に高いレベルのサービスを提供できなければなりません。

3年続いた飲食店はなかなか潰れない

裏を返せば、3年続いた飲食店はなかなか潰れないといえます。3年続けるうちに周りのライバル店は減り、常連客は増えているでしょう。地域の特性やニーズへの理解も深まっているはずで、それに合わせてお店を改善していくこともできます。

この間に経営ノウハウを蓄積できていれば、売上やコストなどの経営状況を把握し、改善策を講じることができるようになっているはずです。金融機関の信頼が得やすくなり、融資の審査にも通りやすくなるでしょう。これらは赤字や経営難に対するリスクヘッジとなります。

飲食店の潰れる確率が高い5つの理由

飲食店は他業態と比べても潰れる確率が高いです。その理由をもう少し詳しく見ていきましょう。

理由1.利益率が低いから

飲食店の潰れる確率が高い1つ目の理由は、「利益率が低いから」です。飲食店の利益率は一般的に10%ほどといわれ、他業種と比べて低いです。

飲食店では、原材料費と人件費が大きなコストを占めます。食材や調味料などの原材料費、アルバイトやパートにかかる人件費が大きく、利益率が圧迫されます。

理由2.開業・運営のコストが高いから

飲食店の潰れる確率が高い2つ目の理由は、「開業・運営のコストが高いから」です。

飲食店は開業のための初期費用が大きく、固定費も多いのも経営が圧迫される大きな要因でしょう。飲食店を開業するためには、店舗の賃貸料や内装費用、厨房設備の購入費などの初期投資が必要です。その後にかかる家賃や水光熱費などの固定費も、他業種と比べて割高です。

飲食店は開業費で予算が圧迫されやすく、十分な運転資金を残せずに開業せざるを得ないことも多いでしょう。他業種と比べ水光熱費がかさみやすいため、残った運転資金が減るスピードも早いです。

理由3.計画不足で開業する人も多いから

飲食店の潰れる確率が高い3つ目の理由は、「計画不足で開業する人も多いから」です。飲食店を開業するためには、次のように、さまざまな計画を立てなければなりません。

  • 事業計画
  • 資金計画
  • 人材計画
  • マーケティングの計画
  • リスクマネジメント

これらの計画をしっかりと立てなければ、経営がうまくいかず、廃業に追い込まれる可能性が高くなります。しかし、考えるべきことが多すぎて、一つひとつの計画を入念に立てられない人も少なくありません。

理由4.集客の知識が足りない人も多いから

飲食店の潰れる確率が高い4つ目の理由は、「集客の知識が足りない人も多いから」です。

飲食店経営において、集客は最も重要な要素とすらいえます。集客がうまくいかなければ売上が立たず、経営が成り立ちません。

しかし、飲食店を開業する際に、集客の知識をしっかりと身につけている人はあまり多くありません。中には、集客の方法を全く知らないまま、開業してしまう人もいます。飲食店を開きたいと考える人の多くは料理が好きな人やシェフなどであり、集客・マーケティングに関しては専門外だからです。

理由5.こだわりが強すぎる人も多いから

飲食店の潰れる確率が高い5つ目の理由は、「こだわりが強すぎる人も多いから」です。

飲食店経営において、こだわりは大切なものです。しかし、こだわりが強すぎるあまり、お客さまのニーズを無視してしまうことも考えられます。

たとえば味や雰囲気にこだわりすぎて、価格が高くなりすぎると、お客さまにとって気軽に行けないお店になってしまうかもしれません。また、自分の好きな料理やサービスを提供することにこだわりすぎて、ターゲット顧客を明確にしないことも集客の妨げになります。

こだわりは、あくまでもお客さまのニーズを満たすための手段であり、目的ではありません。こだわりを持ちつつも、お客さまのニーズをしっかりと把握し、バランスの取れた経営を目指しましょう。

飲食店の開業に必要な資金

飲食店の開業に必要な資金は、大きく分けて「開業資金」と「運転資金」の2つがあります。それぞれの目安額を紹介します。

開業資金

開業資金とは、店舗の取得や内装、設備、備品などにかかる費用です。具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 店舗取得費(家賃、保証金、仲介手数料など)
  • 内装費(工事費、設備費など)
  • 厨房設備費(調理器具、食器、食材など)
  • 備品費(什器、消耗品など)

開業資金は店舗の規模や立地、内装のグレードなどによって大きく異なります。一般的に、飲食店の開業資金は1,000万円前後といわれています。

運転資金

運転資金とは、開業後の営業に必要な資金のことです。具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 家賃
  • 食材費
  • 人件費
  • 光熱費
  • 水道費
  • 広告宣伝費

開業前に少なくとも半年分の運転資金を用意しておきたいですが、その後は売上から賄う必要があります。開業後すぐに売上が立たないと、資金繰りが悪化し、経営が難しくなるでしょう。

なお、飲食店のランニングコストは売上の65~70%ほどが目安といわれています。次の内訳を参考に、

  • 家賃:月商の10%ほど
  • 食材費:月商の20~30%
  • 人件費:月商の20~30%
  • 光熱費:月商の5~10%
  • 水道費:月商の2~5%
  • 広告宣伝費:月商の3%ほど

運転資金とは別に1年分の生活資金を用意しよう

お店の開業・運転資金とは別に、自分の生活資金も1年分は用意しておきたいです。

開業後すぐに売上が立つとは限りません。経営が軌道に乗るまで時間がかかることも考えられます。飲食店の売上から十分な生活資金を確保できなかった場合、アルバイトや副業をしなければならないかもしれません。

ライターやデザイナーのような時間の融通がきく仕事なら副業もしやすいですが、営業時間の縛りがある飲食店では、副業をするのが難しいです。時間が足りず仕込みが追いつかなかったり、睡眠不足で接客態度が悪くなったりなどのリスクも考えられます。

飲食店で失敗しないための6つのアイデア

飲食店は他業種と比べても開業・運転資金が高く、お店同士の競争も激しいです。潰れる確率が高い飲食店だからこそ、失敗しないために創意工夫を凝らさなければなりません。

飲食店で失敗しないためのアイデアを6つ紹介します。

アイデア1.ターゲットとコンセプトを明確にする

飲食店で失敗しないための1つ目のアイデアは、「ターゲットとコンセプトを明確にする」ことです。

ターゲットとはお店を利用する顧客層のことです。ターゲットを明確にすることでお客さまのニーズも明確になり、それに合ったニーズに合ったメニューやサービスを提供できるでしょう。

ターゲットのニーズや特徴を踏まえ、コンセプトを考えることも大切です。競合店と差別化したり効果的な集客施策を打ったりするためにも、まずはターゲットとコンセプトを明確にしましょう。

アイデア2.立地選びの肝は情報収集

飲食店で失敗しないための2つ目のアイデアは、「情報を集めて立地を選ぶ」ことです。

立地は飲食店の成功を左右する重要な要素です。立地が悪いと集客が難しくなり、経営難のリスクが高くなります。

ターゲットの居住エリアや職場エリアを把握すること、出店候補地の人口構成を調べることが大切です。人口構成は日中と夜間の両方について調べましょう。極端な例ですが、バーを開きたいのに夜間人口が少ないエリアを選んでも仕方がありません。

ほかにも交通アクセスや駐車場の確保、競合店の立地なども意識して出店場所を決めましょう。

アイデア3.お客さまのニーズを大切にする

飲食店で失敗しないための3つ目のアイデアは、「お客さまのニーズを大切にする」ことです。

しつこいようですが、集客においてお客さまのニーズを満たすことは大切です。お客さまのニーズに合ったメニューやサービスを提供することで、再来店を促したりポジティブな口コミを増やしたりできます。

簡単に答えられるアンケートを作ったり、SNSやレビューサイトでお店の口コミを調べたり、わずかな手間でお客さまからの評価やニーズを確認できます。顔なじみのお客さまに直接ヒアリングしたり、スタッフを観察したりするのもおすすめです。

特に、SNSや口コミサイトで店名を検索する「エゴサーチ」を定期的に行いましょう。匿名性の高いこれらのメディアでは、お客さまの本音がわかります。ポジティブな口コミだけでなくネガティブな口コミにも目を向け、店舗改善の糸口として役立てましょう。

ただ、エゴサーチのしすぎは精神衛生上よくありません。「毎月第2、第4水曜日」のようにタイミングを決め、まとまった時間を取るといいでしょう。

アイデア4.集客について勉強する

飲食店で失敗しないための4つ目のアイデアは、「集客について勉強する」ことです。

立地が良いだけでは集客はできません。はじめのうちは良いかもしれませんが、集客の努力を怠ると客足は少しずつ減っていくでしょう。新規獲得のためにもリピート率アップのためにも、集客の勉強は欠かせません。

飲食店の集客方法には次のようなものがあります。

マストでやるべき集客方法

【Googleビジネスプロフィール】

お店の基本情報はもちろん、店内やメニューの写真を載せたり口コミを投稿したりできる、Google提供のプラットフォーム。ChromeやGoogleMapに表示されるため人目につきやすく、来店確度の高い人にアプローチしやすいです。

【店頭の看板・のぼり】

看板はお店の存在を知らせるための欠かせないアイテムです。そのお店がどんなお店なのかわかる、目を引くデザインの看板を掲げましょう。簡単に作成・入れ替えができるのぼりは、限定メニューやキャンペーンの訴求に効果的。季節や時間帯ごとに入れ替えるのがおすすめです。

低コストで効果的な集客方法

【チラシ・ポスティング】

周辺住民にお店の存在をアピールできるチラシ・ポスティングは、来店につながりやすい集客方法といえます。コストや手間はかかりますが、費用対効果が高いです。コストを抑えるために、開業前にオーナー自らポスティングをするのも良いでしょう。

【SNS運用】

お店のSNSアカウントを作り、こまめに投稿しましょう。店舗HPやブログよりも始めやすく続けやすく、コストもかかりません。宣伝のための投稿は控えめに、コミュニケーション重視で運用するのが効果的です。空や景色の写真を添えて毎朝「おはよう投稿」をしたり、リプライやお店の口コミに返信したりしてみましょう。

飲食店におすすめの集客方法はほかにもたくさんあります。興味のある方は、こちらの記事で集客を勉強してみてください。

アイデア5.コストやリスクを抑えられる業態を選ぶ

飲食店で失敗しないための5つ目のアイデアは、「コストやリスクを抑えられる業態を選ぶ」ことです。

テイクアウトやデリバリーの専門店は客席不要で、その分省スペースで運営でき、テナント代を抑えられます。必要な人員数も少なく、人件費も抑えられるでしょう。

固定の店舗がいらないキッチンカーなら、さらに低いコストで開業できるでしょう。キッチンカーの開業費用は150万~200万円ほどと、飲食業のなかでも低いです。立地選びが原因で経営難に追い込まれるリスクはなく、イベント出店をメインに土日のみの副業として始めることもできます。

アイデア6.フランチャイズを活用する

飲食店で失敗しないための6つ目のアイデアは、「フランチャイズを活用する」ことです。

フランチャイズに加盟することで、チェーンのブランド力を活かして集客できます。テレビCMやチェーンのSNS公式アカウントなど、本部の集客施策に乗って効率よく売上を伸ばせるでしょう。

集客面だけでなく、店舗経営や人材の採用・教育に関するノウハウも提供してもらえます。経営経験がない人、集客に自信がない人には特におすすめの方法です。

安定経営が強みの飲食店フランチャイズはここ!

フランチャイズに加盟すれば集客から経営、人材の採用・育成まで、さまざまなサポートを受けながら飲食店を経営できます。集客や経営の知識がないためにお店が潰れることも多いです。

潰れる確率を少しでも低くしたい人におすすめな、安定経営が強みの飲食店フランチャイズを紹介します。

ライフデリ

ライフデリ
  • 安定したストックビジネス
  • 開業資金は業界で最安値
  • 開業前の不安は納得がいくまで問い合わせ可能

ライフデリは、高齢のお客様にお弁当の配食サービスを行っています。農作物の8割以上が国産の食材を使用しており、糖尿病や腎臓病、透析治療中の方向けのムース食のお弁当も取り扱っています。

お弁当を利用される方は高齢や持病を持った方が多く、定期的な注文がほとんどであるため、継続的なお客様が積み重なっていくストックビジネスとなります。そのため、将来を見越した仕入れや人材確保が可能になり、安定したビジネスが展開できます。

また、加盟金や保証金、さらにはロイヤリティもゼロと、開業資金が業界でも最安値となります。ライフデリは、既存の高齢者配食フランチャイズを研究し、売上を伸ばせば伸ばした分だけ還元される仕組みを整えています。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:0円
保証金:0円
研修費:10万円
会費:3万円(月額)
(新規店舗の場合)暖房機器費:295,000円容器・備品・販促物:143,000円事務機器・事務用品:41,500円
(居抜きや既存店舗併設の場合)厨房機器費(冷蔵・冷凍庫等):133,000円容器・備品・販促物:115,000円事務機器・事務用品:0円
0円3年要問い合わせ
ライフデリ開業資金

ライフデリ公式サイト

コメダ珈琲

コメダ珈琲
  • 幅広い客層に支持される長期安定ビジネス
  • 席数に応じた定額のロイヤリティ制度
  • 効率化されたオペレーションで負担が少ない運営 

コメダ珈琲は、1968年に創業し名古屋を中心に展開してきた喫茶店です。現在では全国各地に968店舗のコメダ珈琲店を展開しており、幅広い客層に指示され続けています。

一般的なフランチャイズ店舗では、売上が上がるごとにロイヤリティが増加しますが、コメダのフランチャイズでは、店舗の売り上げではなく席数に応じた定額のロイヤリティ制度を採用しています。そのため、努力した分だけ店舗が利益を獲得でき、初期投資を5~7年で回収するオーナーもいます。

コメダでは、社員から初めてオーナーの独立を目指す個人支援制度や新規店舗の建築費と内装費を一時的に負担する建築支援制度を採用しています。また、開業までの研修プログラムは約3か月と長期間設定しており、開業後も本部スーパーバイザーが常にサポートしてくれるという安心できる体制があります。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:300万円
加盟保証金・300万円(連帯保証人2名以上)・600万円(連帯保証人1名)・900万円(連帯保証人なし)
研修費用:50万円
店舗施工指導料・350万円(独立店)・200万円(ビルイン)
1,500円(1席あたり/月額)10年833店舗
コメダの開業資金

コメダ公式サイト

からみそラーメンふくろう

からみそラーメンふくろう
  • 食べログや究極のラーメンなど数々の賞を獲得
  • 居抜き物件を活用し低投資で出店可能
  • 事前調理済みの食材を使用するため、安定したクオリティが実現できる

からみそラーメンふくろうは、山形生まれのからみそラーメンを名古屋の地に合わせて工夫を取り入れたラーメン店です。特製の太ちぢれ麵を使用しており、ほのかに魚介の出汁が効いた黄金の味噌スープが特徴です。

店舗は1.5〜3等立地で展開しており、居抜き物件を活用しています。それでも数々の賞を受けたブランド力で熱狂的ファンがいます。そのため、低投資で開業し堅実な売上を狙うことが可能です。

開業前は1か月の研修があり、物件や融資のサポートも充実しています。開業後は定期的な臨店指導が実施され、継続的なフォローで安定した売上を狙えます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
加盟金:200万円
加盟保証金:50万円
研修費:50万円
デザイン費・居抜き:30万円~・スケルトン坪:4万円~
現地調査費・契約前:1回5万円・契約後:5回まで無料
売上の5%要問い合わせ25店舗
からみそラーメンふくろうの開業資金

からみそラーメンふくろう公式サイト

立地選びで潰れるのが不安なら、キッチンカーのフランチャイズがおすすめ

飲食店の成否は立地選びで決まるといっても過言ではありません。立地が悪いとそもそもお客さまに認知してもらえず、たった一度の盛り上がりもなくお店が潰れてしまうこともあるでしょう。

立地選びで潰れるのが不安なら、固定の飲食店よりもキッチンカーを選んだ方がいいかもしれません。

特におすすめなのがフランチャイズへの加盟です。フランチャイズに加盟することで、キッチンカーならではの集客ができます。集客が期待できるイベント会場を紹介してくれるフランチャイズも多いです。

立地選びでお店が潰れるのが不安な人におすすめな、キッチンカーのフランチャイズを紹介します。

空とぶ唐揚げ

空とぶ唐揚げ
  • からあげグランプリ金賞受賞
  • スーパー・イベント会場の実績多数
  • メディア露出が多く知名度が高い

空とぶ唐揚げはからあげグランプリ金賞受賞のからあげ専門店です。メディアに何度も取り上げられているため知名度が高く、看板を掲げているだけでも集客できるでしょう。

ドンキホーテやドコモショップ、各種スーパーへの出店はもちろん、イベント会場への出店実績も抱負です。保育園や町内会のお祭りなど、地域密着型のイベントにも多数出店しています。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
195万円なし要問い合わせ要問い合わせ
空とぶ唐揚げの概要 ※開業資金は一例です

空とぶ唐揚げ公式サイト

黄金鯛焼き

黄金鯛焼き
  • スーパー・プラザへの出店実績多数
  • 100店舗以上の飲食店を支援してきたコンサルティングを提供
  • 固定店舗にも対応

黄金鯛焼きはTSUTAYAやマックスバリュー、各種スーパーなど、有名店やプラザへの出店実績が豊富な鯛焼き専門店です。フランチャイズは100店舗以上の飲食店を支援してきたコンサルティング会社です。そのノウハウを活かして「成功する店舗」をつくるためにさまざまなサポートを提供してくれます。

キッチンカーはもちろん、固定の店舗を開くこともできます。固定店舗の場合も立地・テナント選びからサポートしてもらえるので、立地選びのリスクは低いでしょう。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
215万円~月5万円24ヵ月80店舗以上
黄金鯛焼きの概要

黄金鯛焼き公式サイト

丸果じゅ屋

丸果じゅ屋
  • 新鮮なフルーツを使ったフルーツジュース専門店
  • フルーツをそのまま容器にしたSNS映えする商品
  • 3日間の研修でスピード開業

丸果じゅ屋は大阪生まれのフレッシュジュース専門店です。フルーツをそのまま容器にしてジュースを提供する、SNS映えする商品を展開しています。お客さまがSNSでお店の宣伝をしてくれるだけでなく、街でたまたま見かけた人の興味を引ける、インパクトのある商品です。

3日間の研修でスピード開業できるのも魅力的です。保健所の営業許可を取るためのフォロー、経営に関する悩みを相談できるオンラインミーティングなど、手厚いサポートを受けられます。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
要問い合わせなし要問い合わせ要問い合わせ
丸果じゅ屋の概要

丸果じゅ屋公式サイト

COLOR CAFE

COLOR CAFE
  • クレープ・スイーツ専門のキッチンカー
  • かわいい商品とキッチンカーは集客力抜群
  • 本部による手厚いサポートと集客・宣伝

COLOR CAFEクレープ・スイーツ専門のキッチンカーです。SNS映えする商品と、目を引く黄色のトラックで、抜群の集客力を誇ります。

本部が集客・宣伝に力を入れているのも特徴です。メディアへの出店実績が多数あり、フランチャイズ加盟からオープンまでの密着動画や現役オーナーの取材動画などを放送。公式サイトからこれらの番組を視聴することもできます。

イベント会場向けの「出店依頼フォーム」を公式HPに設置したり、YouTubeチャンネルの運営に力を入れたり、出店依頼を集めるためにさまざまな取り組みをしています。

公式HPからは先輩オーナーへのインタビューを視聴でき、デザインもきれいなので、一度チェックしてみましょう。

開業資金ロイヤリティ契約期間加盟店舗数
290万円~なし要問い合わせ要問い合わせ
COLOR CAFEの概要 ※軽BOXFC開業パックプランの場合

COLOR CAFE公式サイト

潰れる確率が高い飲食店だからこそ、儲かる仕組みのあるフランチャイズがおすすめ

飲食店は開業から3年以内の廃業率が50%近くもある、潰れる確率が高い業種です。ターゲットとコンセプトを明確にする、立地を慎重に選ぶ、お客さまのニーズを大切にするなど、失敗を避けるための工夫が必要です。

特に経営経験や集客の知識が足りない場合、味やサービスがどんなに良くても潰れる確率が高くなります。これらの不足を補うために、フランチャイズを活用するのもいいでしょう。

ただし、フランチャイズにも「ロイヤリティを支払わなければならない」「本部の方針に沿って運営しなければならない」などのデメリットがあります。契約を結ぶ前に、メリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。

本記事で紹介したフランチャイズのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。加盟費やロイヤリティ、詳しいサポート内容など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。なるべくたくさんのチェーンの情報を集め、自分に合ったところを選ぶことが大切です。