コンビニ経営を成功させるには、開業前の情報収集とシュミレーションが大切です。本記事では大手3社の加盟金やロイヤリティなどの費用を詳しく紹介するので、資金計画を立てるのに役立ててください。経営成功の10のコツも紹介します。
コンビニ経営の年収目安は700万円
コンビニ経営者の年収は、一般的に700万円前後といわれています。コンビニ経営者の年収は、店舗の売上や立地、経営者のスキルや経験などによって大きく変動します。そのため、700万円という金額はあくまで目安であり、それより低い人も高い人もいます。
たとえば立地の良い繁華街にあるコンビニや、複数店舗を経営しているオーナーの年収は、1,000万円を超える場合もあります。その一方、立地が悪い郊外にあるコンビニや、経営がうまくいっていないコンビニのオーナーの年収は、300万円程度に下がることもあります。
コンビニ経営者の年収は、売上高と利益によって決まります。売上高が多いほど、利益も増えるため、年収も高くなります。また、本部に支払うロイヤリティや、従業員の給与や福利厚生費などの経費も、年収に影響を与えます。
コンビニ経営は、安定した収入が見込める一方で、24時間営業や人材管理などの負担が大きい仕事です。年収を上げるためにも、経営スキルの向上や、従業員の育成に力を入れることが重要です。
フランチャイズでコンビニを経営するメリット
フランチャイズでコンビニを経営するメリットを4つ紹介します。
ニーズが安定している
フランチャイズでコンビニを経営する1つ目のメリットは、「ニーズが安定している」ことです。
コンビニは、食料品や日用品、サービスなど、日常生活に欠かせない商品やサービスを提供しています。そのため、常に一定の需要があり、経営が安定しやすいというメリットがあります。
また、コンビニは24時間営業で、いつでも必要な商品を購入したりサービスを受けたりできます。忙しい人や夜遅くに買い物をする人に重宝される、なくてはならない業態です。
開業資金が意外と低い
フランチャイズでコンビニを経営する2つ目のメリットは、「開業資金が意外と低い」ことです。
コンビニの開業資金は、一般的に200万円から300万円程度とされています。これは、他の小売業と比較すると、比較的低い水準です。
その理由は、フランチャイズ本部が、店舗の立地や内装、商品などのノウハウを提供してくれるからです。そのため、オーナーは、これらのノウハウを活用することで、開業資金を抑えることができます。
例えば、店舗用の土地をフランチャイズ本部に用意してもらう場合、開業資金(加盟金)は200万円前後になることが多いです。また、家族で経営する場合は、開店準備手数料が免除される制度もあります。
ノウハウ・資金のサポートが手厚い
フランチャイズでコンビニを経営する3つ目のメリットは、「ノウハウ・資金のサポートが手厚い」ことです。
フランチャイズ本部には、直営店の経営や膨大な数のフランチャイズ加盟店への支援により得たノウハウがあります。フランチャイズに加盟することで、このノウハウを提供してもらい、未経験でも経営を成功に導けるでしょう。
資金面でのサポートも充実しています。加盟店への支援金があるチェーンもありますし、自力でお店を開くより開業費を抑えやすいです。さらに、本部が行う広告施策に便乗することで、広告費を抑えることができます。
多店舗運営を目指しやすい
フランチャイズでコンビニを経営する4つ目のメリットは、「多店舗運営を目指しやすい」ことです。
フランチャイズ本部は、フランチャイズ加盟店の多店舗運営を支援するための仕組みを整えています。例えば、本部から店舗運営のノウハウや、人材育成のサポートを受けることができます。また、本部が行う仕入れや物流の効率化により、コストを抑えられるでしょう。
これらの支援を受けることで、オーナーは、少ない労力で複数店舗を経営できます。
フランチャイズでコンビニを経営するデメリット
フランチャイズでコンビニを経営するデメリットを4つ紹介します。
周辺環境の変化に影響されやすい
フランチャイズでコンビニを経営する1つ目のデメリットは、「周辺環境の変化に影響されやすい」ことです。
これはフランチャイズというより、コンビニという業態のデメリットです。コンビニは店舗数が多いです。ローソンやセブンイレブンなどのブランドは気にしても、支店単位で見る人は少ないです。そのため、コンビニ同士で客の奪い合いが起きることもよくあります。
生活に密着した業態でもあるため、近隣のオフィスやコンビニ以外の店舗、居住環境などの変化により客足が変わることも多いです。
周辺環境の変化に迅速に対応するためには、本部との連携が重要です。本部には地域のマーケティング情報や、変化に対応するためのノウハウが蓄積されているため、積極的に情報共有や相談を行うようにしましょう。
基本的に24時間営業で身体的に大変
フランチャイズでコンビニを経営する2つ目のデメリットは、「基本的に24時間営業で身体的に大変」ことです。
コンビニは、基本的に24時間営業をしています。そのため、オーナーや従業員は、昼夜を問わず働く必要があります。深夜はスタッフが集まりづらく、オーナーやその家族が勤務することが多いため、身体的な負担はより大きくなります。
最近は24時間営業をしなくても良いとするチェーンが増えましたが、24時間営業をする加盟店の方が、本部からの支援や優遇措置が受けられることが多いです。競争力を高めるために、24時間営業を検討せざるを得ないケースもあります。
途中解約には違約金がかかる
フランチャイズでコンビニを経営する3つ目のデメリットは、「途中解約には違約金がかかる」ことです。
フランチャイズ契約には、一般的に契約期間が定められています。この契約期間内に途中解約する場合、本部から違約金を請求されることになります。
違約金の金額は契約期間や店舗の立地条件、売上高などによって異なりますが、数百万円から1,000万円ほどに及ぶケースもあります。
そのため、経営がうまくいかず赤字になったとしても、違約金の支払いを恐れて途中解約に踏み切れないケースも多いです。
本部のルールに従わなければならず自由度が低い
フランチャイズでコンビニを経営する4つ目のデメリットは、「本部のルールに従わなければならず自由度が低い」ことです。
フランチャイズ契約には、本部からオーナーに対してさまざまなルールが課されています。商品の仕入先や販売価格から、店内レイアウトや内装、従業員の教育や研修にいたるまで、細かくルールが決まっています。
これらのルールに従わなければ本部から指導を受けることとなり、場合によっては契約解除のリスクもあるでしょう。
そのため、フランチャイズでコンビニを経営する際には、本部のルールを十分に理解し、それに従う覚悟が必要です。
しかし、コンビニ経営はフランチャイズに加盟するのが一般的です。コンビニはフランチャイズのなかでもルールの縛りがきつい業種ではありますが、そもそもフランチャイズ以外でコンビニを経営するという選択肢はほぼないため、他業種と比べて自由度の低さはあまり気にならないかもしれません。
何より、コンビニ経営の成功率を高めるためには、本部のノウハウやサポートを活用することが重要です。本部のルールを遵守しなければならないということは、ある意味、成功への近道ともいえるでしょう。
コンビニ経営で成功するための10のコツ
コンビニ経営で成功するための10のコツを紹介します。これらを意識し、開業準備を進めること、経営努力を重ねることが大切です。
コツ1.契約タイプを慎重に選ぶ
コンビニ経営で成功するための1つ目のコツは、「契約タイプを慎重に選ぶ」ことです。
コンビニ経営には、大きく分けて「土地付き店舗」と「土地なし店舗」の2つの契約タイプがあります。
「土地付き店舗」は、本部が店舗用の土地を用意してくれる契約タイプです。加盟金は高くなりますが、ロイヤリティは低くなります。
「土地なし店舗」は、オーナーが店舗用の土地を用意する契約タイプです。加盟金は低くなりますが、ロイヤリティは高くなります。
どちらの契約タイプを選ぶかは、オーナーの資金力や、経営方針によって異なります。
資金力に余裕があり、多店舗展開を検討している場合は、「土地付き店舗」がおすすめです。一方、資金力に余裕がなく、小規模な店舗で経営したい場合は、「土地なし店舗」がおすすめです。
コツ2.幅広い年齢・性別のスタッフを採用する
コンビニ経営で成功するための2つ目のコツは、「幅広い年齢・性別のスタッフを採用する」ことです。
コンビニは地域の生活に密着した店舗であるため、幅広い年齢層のお客さまに利用されています。幅広い年齢・性別のスタッフを採用することで、お客さまのニーズに応えやすくなり、店舗の雰囲気を良くすることができます。
時間帯ごとの客層を考え、彼らにとって親しみやすい年齢・性別のスタッフを配置することも大切です。
たとえば朝の通勤時間帯には、主婦や学生など比較的若い年齢層のお客さまが多いため、若いスタッフを配置すると親しみやすさを感じてもらえるでしょう。
その一方で、夜の時間帯には会社員や飲み会帰りの人など、比較的年齢層の高いお客さまが多いです。年配のスタッフを配置すると安心感を与えやすくなります。
コツ3.人材の採用・育成に力を入れる
コンビニ経営で成功するための3つ目のコツは、「人材の採用・育成に力を入れる」ことです。
コンビニは24時間営業が基本であり、接客や販売、商品管理などさまざまな業務をこなす必要があります。優秀な人材を採用し、しっかりと育成することが成功のカギです。
採用時は接客や機械操作などのスキルはもちろん、コミュニケーション能力やストレス耐性など、コンビニで働くために必要なスキルをしっかりと見極めましょう。
採用後も定期的な研修やOJTを実施してスキルアップを図ること、スタッフのモチベーションを高め、働きやすい環境を整えることが大切です。
コツ4.データに基づき取扱商品を考える
コンビニ経営で成功するための4つ目のコツは、「データに基づき取扱商品を考える」ことです。
コンビニではデータに基づいた経営が重要です。取扱商品を決める際にも、データに基づいて仕入れを検討しましょう。
POSデータを分析することはもちろん、周辺の競合店の取扱商品、地域の人口や世帯構成、季節やイベントなどのデータも活用できます。自店のターゲット層にニーズのある商品を、適切なタイミングで仕入れるために役立ちます。
フランチャイズのコンビニでは、加盟店が独自に仕入先を開拓したり、オリジナル商品を開発したりすることはできません。
しかし、本部が提示する仕入れ可能商品のなかから自店に合うもの、売れそうなものを選ぶことはできます。
本部は長年の経験とノウハウに基づいて、売れ筋商品やトレンド商品を仕入れ可能商品として提示しています。本部が提示する商品を参考にすることで、ある程度の成功を収めることができるでしょう。
ただし、あくまでもデータに基づいた判断が重要です。本部が提示する商品を鵜呑みにするのではなく、自店の状況やターゲット層を考慮して、慎重に検討することが大切です。
コツ5.陳列やPOPで商品をアピールする
コンビニ経営で成功するための5つ目のコツは、「陳列やPOPで商品をアピールする」ことです。
コンビニは商品が陳列された状態でお客さまに直接訴求する、いわば「モノ売り」の業態です。アパレルのように、スタッフがお客さまに声をかけ販売を行うわけでもありません。陳列やPOPを工夫して、商品を効果的にアピールすることが、売上アップにつながります。
陳列を工夫することで、商品の見つけやすさや購買意欲を向上させられます。店内の雰囲気を良くしたり、売り場面積を有効活用したりといった効果も得られます。
陳列だけでなく、POPの設置や作成にもこだわりましょう。本部から送られてくるPOPを設置するのはもちろん、手書きPOPを作って親しみやすさを演出することも大切です。
手書きPOPは次のようなポイントを意識して作りましょう。
- 誰に向けたPOPなのか、ターゲットを明確にする
- 商品の魅力や特徴をわかりやすく伝える
- 具体的な行動を促すようなキャッチコピーを使う
魅力的なPOPを作れたら、商品棚だけでなくレジや出入り口付近など、お客さまの目に留まりやすい場所に設置しましょう。
コツ6.IT活用で効率化・経費削減を図る
コンビニ経営で成功するための6つ目のコツは、「IT活用で効率化・経費削減を図る」ことです。
コンビニ経営では人件費や仕入れ費などの経費を削減することが重要です。そのために、ITを活用して、業務の効率化や経費削減を図りましょう。
たとえばセルフレジの導入は、IT活用による効率化・経費削減の代表例といえます。セルフレジを導入することで、レジスタッフの人員を削減でき、人件費の削減につながります。また、レジ待ちの時間を短縮することで、顧客満足度の向上にもつながります。
セルフレジ以外にも、ITを活用した業務の効率化・経費削減の方法はたくさんあります。本部に相談しながら、次のような対策も考えてみましょう。
- POSシステムや在庫管理システムなど、業務に必要なシステムを導入する
- セルフレジや無人店舗など、新しい技術を活用する
- クラウドサービスを活用して、コストを削減する
コツ7.家族経営は慎重に
コンビニ経営で成功するための7つ目のコツは、「家族経営は慎重に」です。
コンビニは家族経営をすることも多いです。人件費の削減や人手不足の解消のほかにも、経営方針を家族で共有したり、経営のリスクを家族で分担したりできるメリットがあります。
しかし、経営判断が家族間の感情に左右される可能性もあります。家族に過剰な負担をかけてしまい、関係にひびが入ってしまったという家庭も少なくありません。
家族間で役割分担や責任を明確にする、経営方針を家族で共有して合意を得るなど、家族経営について慎重に考えることが必要です。何よりも、家族の意見を尊重し、思いやる姿勢を忘れないようにしましょう。
コツ8.オーナーとして経営者視点で考える
コンビニ経営で成功するための8つ目のコツは、「オーナーとして経営者視点で考える」ことです。
コンビニはフランチャイズ契約を結んで本部から商品やサービスを提供してもらう形態が一般的です。ルールの縛りが多い一方、マニュアルをはじめとするサポートも充実しています。そのため、本部に頼りきりになり、オーナーとしての責任を放棄してしまうケースも少なくありません。
しかし、オーナーとして成功するためには、本部をサポート役として活用しつつ、自店の経営を自らコントロールすることが大切です。自店の経営状況を常に把握して課題を明確にすること、自店の強みと弱みを分析して戦略を立てることを意識しましょう。そのうえで、本部と連携しながら、自店の経営を改善するのです。
コツ9.軌道に乗ったら多店舗運営も考える
コンビニ経営で成功するための9つ目のコツは、「軌道に乗ったら多店舗運営も考える」ことです。
コンビニ経営は、1店舗で成功すればそれで終わりではありません。多店舗運営にすることで、売上や利益をさらに拡大することができます。
ただし多店舗運営には、経営のリスクや管理の負担が大きくなる、人材の確保が難しくなるなどのデメリットもあります。経営のリスクを十分に理解したうえで、慎重に検討しましょう。本部と相談しながら管理体制を整え、効率的に運営できる仕組みを構築することが大切です。
コツ10.売上1,000万円を目安に法人化を考える
コンビニ経営で成功するための10個目のコツは、「売上1,000万円を目安に法人化を考える」ことです。
コンビニ経営は個人事業主として行うこともできますが、売上1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。また、所得税の税率も個人事業主の方が高くなる可能性があります。
そのため、売上1,000万円を目処に法人化を検討するとよいでしょう。
コンビニ大手3社のフランチャイズにかかる費用を比較
ここからはコンビニ大手3社、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの加盟金とロイヤリティを比較していきます。
どのチェーンにも土地・建物を本部が用意するプランとオーナーが用意するプランがあります。本部が用意するプランでは開業資金を抑えられますが、ロイヤリティが割高です。予算の都合もありますが、よくシュミレーションしたうえで契約プランを選ぶことが大切です。
費用は高めだが店舗数に強み「セブンイレブン」
セブンイレブンは店舗数で見れば、国内最大のコンビニチェーンです。国内総店舗数は2万1,488店で、その多くは個人オーナーによって運営されています(2023年12月末時点)。
セブンイレブンのフランチャイズは、加盟金が315万円(税込)、ロイヤリティが売上総利益(粗利)の56%から76%と、他のフランチャイズに比べて高額です。
その一方で、圧倒的な店舗数により得られた知名度とブランド力の高さ、商品力とサービス力があります。本部による充実したサポート体制も、膨大な加盟店のデータとサポート経験あってのものです。
セブンイレブンの加盟金
加盟金は、契約タイプによって異なります。Aタイプは、土地・建物所有者向けの契約タイプであり、加盟金は315万円(税込)です。Cタイプは、土地・建物提供者向けの契約タイプであり、加盟金は260万円(税込)です。
なお、加盟金のほかにも研修費や開業準備手数料、開業時出資金などの費用がかかります。
契約タイプ | 加盟金 | 備考 |
Aタイプ(土地・建物所有者) | 315万円 | 土地・建物はオーナーが所有 |
Cタイプ(土地・建物提供者) | 260万円 | 土地・建物はセブンイレブン本部が提供 |
セブンイレブンの加盟金
セブンイレブンのロイヤリティ
ロイヤリティは売上総利益に応じて、一定の割合を本部に支払う仕組みです。Aタイプは、土地・建物所有者向けの契約タイプであり、ロイヤリティ率は売上総利益の43%です。Cタイプは土地・建物を本部が提供する契約タイプであり、売上総利益に次の表の「スライドチャージ率」をかけて計算します。
なお、どちらのタイプでも満5年経過した開店月の翌月から、最大3%チャージ率が減額されます。
Aタイプ | | Cタイプ | 24時間営業 | 非24時間営業 |
24時間営業 | 43% | 250万円以下の部分 | 54% | 56% |
非24時間営業 | 45% | 250万~400万円の部分 | 64% | 66% |
| | 400万~550万円の部分 | 69% | 71% |
| | 550万円を越える部分 | 74% | 76% |
セブンイレブンのロイヤリティ
費用は中間、加盟店への支援が多い「ファミリーマート」
ファミリーマートは加盟金・ロイヤリティともに大手3社の中間の位置づけです。加盟金の代わりに支払う元入金は土地・建物の有無にかかわらず一律150万円なので、土地を持たないオーナーでも加盟しやすいでしょう。
ファミリーマート本部は、加盟店の経営を支援するため、さまざまなサポートを行っています。たとえば店舗運営支援金は、年間最大120万円を支給します。廃棄ロスに対して助成金を支払う制度もあり、オーナーの負担を軽くしようという姿勢が強いです。
ファミリーマートの加盟金
ファミリーマートには加盟金という制度がありません。その代わりとなるのが元入金です。これは商品の代金や両替金の一部として支払うお金で、金額は150万円です。
ほかにもスタッフ募集や研修時の交通費・宿泊費などを用意できることが契約条件として定められています。
内装設備工事費を加盟オーナーが用意するプランもありますが、元入金の金額は150万円のままです。ただし、開業資金のうち1,000万円ほどを手元資金として用意できることが契約条件となります。
ファミリーマートのロイヤリティ
ファミリーマートのロイヤリティは内装工事費をオーナー・本部のどちらが負担するのかで異なります。オーナー負担の場合は開業時の負担が大きくなるものの、ロイヤリティは低いです。
ロイヤリティは月額営業総利益に次の表のチャージ率をかけて計算します。内装工事費オーナー負担のプランでは月額営業総利益が高くなるほどチャージ率が低くなっていくため、モチベーションも保ちやすいでしょう。
| 内装工事費オーナー負担 | | 内装工事費本部負担 |
300万円以下の部分 | 59% | 300万円以下の部分 | 59% |
300万~450万円の部分 | 52% | 300万~550万円の部分 | 63% |
450万円を超える部分 | 49% | 550万円を超える部分 | 69% |
ファミリーマートのロイヤリティ
粗利益600万円超えでロイヤリティ激減「ローソン」
ローソンは加盟金こそ大手3社の中で最も高いものの、土地・建物をオーナーが用意するプランのロイヤリティが低いです。ローソンのロイヤリティは粗利益にチャージ率をかけて計算しますが、600万円超えの部分にかかるロイヤリティはわずか21%です。
600万円を超えたらロイヤリティが21%になるわけではなく、600万円超えの部分にかかるロイヤリティが21%という計算方法ですが、それでも大手3社の中で群を抜いた低さであることは間違いありません。
ローソンの加盟金
ローソンの加盟金は土地・建物を本部が用意する場合で310万円、オーナーが用意する場合で210万円と、大手3社の中で最も高額です。ただし、条件を満たすことで転居支援金として110万円が支援されます。
契約タイプ | 加盟金 |
土地・建物を本部が用意 | 310万円 |
土地・建物をオーナーが用意 | 210万円 |
ローソンの加盟金
ローソンのロイヤリティ
ローソンのロイヤリティは総粗利益高に対して、次の表のチャージ率をかけて計算します。ファミリーマートと同じく、土地・建物をオーナーが用意するプランでは粗利益が高くなるほど低くなっていきます。特に粗利益600万円を越える部分のチャージ率は21%と、大手3社のなかでも圧倒的な低さです。
土地・建物を本部が用意 | | 土地・建物をオーナーが用意 | |
300万円以下の部分 | 45% | 300万円以下の部分 | 41% |
300万~450万円の部分 | 70% | 300万~450万円の部分 | 36% |
450万円を越えた部分 | 60% | 450万~600万円の部分 | 31% |
※非24時間営業の場合 | 各部分に3%加算 | 600万円を超えた部分 | 21% |
| | ※非24時間営業の場合 | 各部分に3%加算 |
ローソンのロイヤリティ
コンビニ経営を成功に導くには、開業前の情報収集とシュミレーションが大切
コンビニ経営を成功に導くには、開業前の情報収集とシュミレーションが大切です。
まずは各コンビニチェーンの加盟金やロイヤリティなどの費用、加盟店への支援内容などを比較検討し、自分に合ったフランチャイズを選ぶ必要があります。
また、立地やターゲット層などの調査をしっかりと行い、売上予測を立てることも重要です。売上予測が甘いと、資金繰りが苦しくなったり、加盟店契約を解除されたりする可能性もあります。
コンビニ経営には人材育成や販促活動など、さまざまなスキルやノウハウが求められます。開業前にこれらのスキルやノウハウを身につけておくことが、経営の成功につながります。
コンビニは初期費用やランニングコストが割高なうえ、競争も激しい業界です。そのため、開業前にしっかりと準備を整え、成功の確率を高めることが大切です。